発達心理学
(選択式10問)
問1 次の文は、心理学者マスロー(Maslow, A.H.)の考え方についての記述である。( A )〜( D )にあてはまる語句として最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
マスローの( A )理論では、欲求の階層を仮定し、( B )欲求と( C )欲求とに大別した。前者の欲求が満たされると、後者の欲求へと進み、最高の段階として(D)の欲求に至るとして、動機づけを説明している。
(組み合わせ)
問2 次の【Ⅰ群】の用語と、【Ⅱ群】の説明文を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
A タッチケア
B レディネス
C インプリンティング
D ホスピタリズム
【Ⅱ群】
ア ほぼ成熟して誕生する早成性の鳥類が、孵化後ごく限られた時間のうちに、動く対象に追従し、強い絆を形成する現象。
イ 閉鎖的な病院や施設に長期間にわたり入院あるいは入所することにより生じる心身への影響。
ウ 学習を可能にし、成立させるために必要な発達の素地、心身の準備性。
エ 養育者が子どもを見つめ、語りかけながら行う、素肌にふれる、なでる、マッサージをするといった手技を行うこと。
(組み合わせ)
問3 次の文は、新生児の発達についての記述である。最も適切な記述を一つ選びなさい。
1 生まれた直後の新生児は目が見えないが、数日で成人並の視力になる。
2 生まれた直後の新生児はどの音にも同じように反応するが、生後2、3週間の新生児は各種の音や声に対する選択的聴取能力をもつようになる。
3 出生時約300g だった大脳の重量が歳半頃までに約1000g まで増加するのは、脳の神経細胞数の増加による。
4 新生児から吸啜反射行動が備わっていることが、食行動のひとつの基礎である。
5 様々な種類の原始反射は生後週間でほとんど消失していく。
問4 次の文は、探索活動についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳児の活動は、環境にはたらきかける実行的な行動と、環境についての情報を収集する探索的な行動とに分けることができる。
B 探索活動の開始は、はいはい、歩行など移動ができるようになってからである。
C ものを探索して情報を得た後に、「繰り返し行動」を行い、喜びの表情を示すようになる行動パターンの変化がある。
D 探索活動は、なじみのある場所、事物、状況において活性化する。
E 乳児は特定の大人を安全基地として、積極的に探索活動を行う。
(組み合わせ)
問5 次の文は、幼児の自己制御機能に関する記述である。A~Dを発達の順に並べた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
A 行為主体としての自己の認識が高まり、「自分で」「○○ちゃん(自分の名前)がやる」など、自分を強く主張するようになる。
B 「欲しいものを待てる」「決まり・ルールを守る」「感情を爆発させない」など、自分の意思・願望・感情を抑えることができるようになる。
C 歩行によって行動範囲が広がると同時に、行動が制限されたり禁止されたりする機会が増え、自分の思い通りにならずにかんしゃくを起こしたり、泣いたりすることが増える。
D 「一緒に」「わたしも」ということばが使われるようになり、他者への同調が生まれる。
(組み合わせ)
1 A→B→C→D
2 B→A→D→C
3 C→A→D→B
4 C→D→A→B
5 D→C→B→A
問6 次の文は、プレマック(Premack, D.)とウッドラフ(Woodruff, G.)によって初めに提唱された「心の理論」についての記述である。最も不適切な記述を一つ選びなさい。
1 「心の理論」はおよそ4~5歳にかけておおむね獲得され、他の人の心や行動の理解の基本となる。
2 外から観察できない「感じる」、「思う」、「考える」といった内面の世界と、外から観察できる外側の世界との区別ができることが「心の理論」の元にある。
3 誤信念課題においては、物の客観的な所在を答えるのは「心の理論」を獲得していることによる。
4 ごっこ遊びで見立てができることは、ものと見立てのイメージを区別することであるので、「心の理論」への発達の始まりである。
5 見かけとしての事実と物理的な事実とを区別することは、「心の理論」の獲得と関係している。
問7 次の文は、コールバーグ(Kohlberg, L.)の道徳判断の発達についての記述である。( A )〜( C )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
コールバーグ(Kohlberg, L.)は、道徳判断の発達についてⅢ水準6段階の発達論を提起した。第5段階と第6段階をⅢ水準の( A )道徳レベルとしている。道徳判断の最終段階では(B)を超えて自分で選んだ道徳原理に合うかどうかを( C )に基づいて判断していく段階である。
(組み合わせ)
問8 次の文は、青年期から成人期の発達についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 青年前期は、人間の一生の中で、身体的発達の著しい時期である。
B 青年期は自己の内面に目をむけ、親との心理的離乳をはかる。
C 身体的・性的成熟の低年齢化・前傾化にみられるように、身体的・生理的変化は、社会的影響を受ける。
D 成人期においても、青年期に形成されたアイデンティティは組み替えが行われ、発達する。
E モラトリアムの期間に入る頃には、すでにアイデンティティを確立し、大人としての責任、役割を担っている。
(組み合わせ)
問9 次の文は、発達障害に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害は、主として脳機能に何らかの障害が想定され、その症状が通常低年齢において発現する。
B 発達障害は固定的なもので、発達の過程では変化しない。
C 広汎性発達障害では自閉的症状そのものは将来にわたって残るが、人間関係発達援助によって対人関係の面でかなりの改善が期待できる。
D 「発達障害者支援法」には、児童の発達障害の早期発見と早期支援の重要性が明記され、国及び地方公共団体の責任が求められている。
(組み合わせ)
問10 次の文のうち、平成21年4月施行の「保育所保育指針」第2章「子どもの発達」の1「乳幼児期の発達の特性」の一部として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 子どもは、遊びを通して、仲間との関係を育み、その中で個の成長も促される。
B 子どもは、自我の芽生えにより、身近な環境(人、自然、事物、出来事など)に興味や関心を持ち、情緒が安定する。
C 乳幼児期は、生涯にわたる生きる力の基礎が培われる時期であり、特に身体感覚を伴う多様な経験が積み重なることにより、豊かな感性とともに好奇心、探求心や思考力が養われる。
D 子どもは、子ども同士の関わりを基にして、大人との信頼関係を持つようになる。
(組み合わせ)
精神保健
(選択式10問)
問1 次の文のうち、国際疾病分類第10版(ICD−10)における悪夢に関する内容として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 夢体験自体およびその結果生じる睡眠の障害によって、患者は著しく悩まされる。
B 覚醒時に夢の内容を思い出すことができない。
C 覚醒は睡眠中いつでも起こりうるが、典型的には睡眠前半で起こる。
D 目覚めるとすぐに意識清明となり、見当識がある。
E ベンゾジアゼピン系薬剤などの向精神薬の服用が原因となることがある。
(組み合わせ)
問2 次の記述のうち、ブロイラー(Bleuler, E.)の述べた統合失調症の基本症状として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 連合弛緩
B 妄想知覚
C 思考化声
D 両価性
(組み合わせ)
問3 次の記述のうち、胎児性アルコール症候群(fetal alcohol syndrome)の患児を診断するときの障害や異常として、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
A 出生前及び出生後の発育障害
B 頭部顔面域の形成障害
C 悪性症候群
D 染色体異常
E 中枢神経系の障害
(組み合わせ)
問4 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
通園児(3歳、男児)の母親(28歳)。2か月前に第二子を出産。同居している夫の両親に乳児の世話を頼み、通園の送迎を開始した。母親は、送迎時に元気がなく、表情は沈みがちだった。話を聞くと、赤ちゃんの体重は標準的な範囲で増えているが、思うようにミルクを飲んでくれずとても心配で育児に自信が持てなくなったという。最近は食欲もなく、送迎も苦痛だという。
【設問】
この母親に最も疑われる精神医学的問題についての以下の記述のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 対応として、「子どもがいるのに元気を出さないとだめではないか」と強く励ます。
B 治療には休養と薬物療法が有効である。
C 赤ちゃんに対する愛情が実感できなくなる。
D マタニティー・ブルーズ(maternity blues)が考えられる。
E 症状は通常1~3日で回復する。
(組み合わせ)
問5 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
小学5年生の女児。幼いときから母親が何事にも口うるさく、厳しいしつけを行っていた。小学4年生頃から些細なことでも母親に確認を求めるようになった。小学5年生になってからは、中学受験のために進学塾に通い始めたが、国語の書き取りの授業中に漢字の「トメ」や「ハネ」が気になってしまった。気にしないようにしようと思っても気になってしまい、授業中にも泣いてしまうことが多くなっていた。
【設問】
このような状態を表す精神症状として最も適切なものを一つ選びなさい。
1 転換
2 幻覚
3 保続
4 強迫
5 昏迷
問6 次の文のうち、解離性障害に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A てんかん発作の一種である。
B 国際疾病分類第10版(ICD−10)では、この障害が共有する共通の主題は、過去の記憶、同一性と直接的感覚、および身体運動のコントロールの間の正常な統合が部分的あるいは完全に失われることとしている。
C 症状として、健忘、遁走、多重人格などがみられる。
D 近年、児童虐待との関連が注目されている。
E 解離性同一性障害はこの障害に含まれない。
(組み合わせ)
問7 次の記述のうち、虐待された幼児に見られやすい症状または行動として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 睡眠障害
B 多動
C 情緒的不安定
D 対人関係の障害
(組み合わせ)
問8 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
5歳の女児。1歳から保育所に通っているが、保育所でしゃべったことがない。話しかけられると困ったような表情でその場で立ちすくんでしまう。軽く頷くことや首を横に振ることはある。家ではよくしゃべり、家族に対して話しかけることも多い。
【設問】
この子どもで最も疑われる精神医学的問題を一つ選びなさい。
1 表出性言語障害
2 小児期崩壊性障害
3 選択性緘黙
4 学習障害
5 自閉症
問9 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
5歳の男児。人と一緒にいることが好きで、知らない人でも積極的に近寄って話しかける。しかし、話しかける内容は相手の年齢についての質問などいつも決まっている。興味のあることには長時間没頭し、終わりの時間になってもなかなかやめられない。一斉の集団活動では他の子どもと同じことをせず教室から出て行ってひとりで好きなことをしていることが多い。予定が突然変更されるとカンシャクを起こして頭を床に激しく打ちつける。
【設問】
この子どもで最も疑われる精神医学的問題について、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 知的障害を伴うことがある。
B 親のしつけが原因である。
C 不注意と多動性が基本的特徴である。
D 思春期までには消失することが多い。
E 薬物療法が第一選択である。
(組み合わせ)
問10 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
4歳の女児。保育園の入園時面接に祖母に連れられて来園した。面接者に初対面であるにもかかわらず、話しかけてきたり膝に乗ったりなどして、警戒する様子が見られない。
祖母の話によると、本児が2歳の時に母親に対する父親のドメスティック・バイオレンスが原因で両親が離婚したとのことである。母親は、アルコール依存症で現在入院治療中である。後日精神科を受診したところ、本児は反応性愛着障害の疑いがあると言われた。
【設問】
この事例に関する以下の記述のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 反応性愛着障害の抑制型が疑われる。
B 広汎性発達障害との鑑別を行う。
C 注意欠陥/多動性障害との鑑別を行う。
D 治療法のひとつにプレイセラピーがある。
(組み合わせ)