令和3年 保育士試験(後期)及び
国家戦略特別区域限定保育士試験問題
教育原理
(選択式 10 問)

問1 次の文は、「教育基本法」第 10 条の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な( A )を身に付けさせるとともに、( B )を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。

   
1 態度 自立心
2 技能 自立心
3 技能 社会性
4 習慣 社会性
5 習慣 自立心

問2 次の文は、「学校教育法」第 31 条の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

小学校においては、(中略)教育指導を行うに当たり、児童の( A )な学習活動、特にボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとする。この場合において、( B )関係団体その他の関係団体及び関係機関との連携に十分配慮しなければならない。

   
1 体験的 社会教育
2 体験的 民間教育
3 実践的 社会教育
4 実践的 民間教育
5 抽象的 社会教育

問3 次の文は、「幼稚園教育要領」第1章「総則」第1「幼稚園教育の基本」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

教師は、幼児との( A )を十分に築き、幼児が身近な環境に( B )に関わり、環境との関わり方や意味に気付き、これらを取り込もうとして、試行錯誤したり、考えたりするようになる幼児期の教育における見方・考え方を生かし、( C )よりよい教育環境を創造するように努めるものとする。

   
1 人間関係 主体的 家庭や地域と共に
2 人間関係 積極的 幼児と共に
3 信頼関係 積極的 家庭や地域と共に
4 信頼関係 主体的 幼児と共に
5 愛着関係 主体的 幼児と共に

問4 次の【Ⅰ群】の人物と、【Ⅱ群】の記述を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A ロック(Locke, J.)
B コメニウス(Comenius, J.A.)
C フレーベル(Fröbel, F.W.)

【Ⅱ群】

ア 「汎知(pansophia)」を確立し、単線型の統一学校の構想を示した。
イ 人間の精神は本来白紙(tabula rasa)のようなものであるとした。
ウ 遊びの重要性を説き、子どもが使って遊ぶための恩物(Gabe)を考案した。

   
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問5 次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A 愛知県出身。欧州を数年旅した後、1875(明治8)年に東京女子師範学校の創設とともに英語教師として招かれる。翌年、東京女子師範学校附属幼稚園の開設に伴い初代監事に任じられた。

B 愛媛県出身の心理学者・教育学者。1936(昭和 11)年に保育問題研究会を結成し、その会長に就任。研究者と保育者の共同による幼児保育の実証的研究を推進した。

C 兵庫県出身。東京女子師範学校卒業後、同校附属幼稚園の保母となる。その後、華族女学校附属幼稚園で保母をしながら、1900(明治 33)年に二葉幼稚園を設立した。

【Ⅱ群】

ア 松野クララ

イ 野口幽香

ウ 倉橋惣三

エ 関信三

オ 城戸幡太郎

   
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問6 次の文章の著者は誰か。正しいものを一つ選びなさい。

1 小原國芳
2 羽仁もと子
3 澤柳政太郎
4 倉橋惣三
5 城戸幡太郎

問7 次の文は、ある国の就学前教育についての記述である。どこの国のものか、正しいものを一つ選びなさい。

就学前教育は、3~4歳児を中心に幼稚園やプレイセンター、また、0~4歳児を対象とする多様な就学前教育機関において提供されている。また、マオリの言語・文化を教える機関「コハンガ・レオ」も設置されている。子どもの「今、ここにある生活」を重視し、実践者、研究者、マオリの人々の意見を集めて作られたカリキュラム「テ・ファリキ」により幼児教育が展開されている。

1 イタリア
2 アルゼンチン
3 フィンランド
4 ニュージーランド
5 シンガポール

問8 次の文は、「学校における「いじめ防止」「早期発見」「いじめに対する措置」のポイント」(平成 25 年 10 月 文部科学省)の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

早期発見の観点から、学校の設置者等と連携し、( A )を実施することにより、ネット上のトラブルの早期発見に努める。また、児童生徒が悩みを抱え込まないよう、法務局・地方法務局におけるネット上の人権侵害情報に関する相談の受付など、関係機関の取組についても周知する。

パスワード付きサイトや SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、携帯電話のメールを利用したいじめなどについては、より大人の目に触れにくく、発見しにくいため、学校における( B )を進めるとともに、保護者においてもこれらについての理解を求めていくことが必要である。

   
1 SNS 等の検閲 道徳教育
2 SNS 等の検閲 IT 活用教育
3 SNS 等の検閲 情報モラル教育
4 学校ネットパトロール 道徳教育
5 学校ネットパトロール 情報モラル教育

問9 次の文は、「教育振興基本計画」(平成 30 年 閣議決定)で示された教育政策の目標を実現するために必要となる施策に関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 地域の多様な関係者(学校、教育委員会、大学、企業、NPO、社会教育施設など)の協働による( A )の実践を促進するとともに、学際的な取組などを通じて SDGs(持続可能な開発目標)の達成に資するような( A )の深化を図る。

・ 幼児期の教育から高等教育まで各学校段階を通じた体系的・系統的な( B )を推進する。初等中等教育段階においては、地域を担う人材育成に資するためにも、地元企業等と連携した起業体験、職場体験、インターンシップの普及促進を図るとともに、特色ある教育内容を展開する専門高校への支援と成果の普及に取り組む。

・ 女性が、結婚や出産等の様々な人生の節目も踏まえつつ、個性と能力を十分に発揮できるよう、大学等における( C )や各種の認定教育プログラム等を活用した能力開発など、学びを通じた主体的なキャリア形成を推進し、復職や再就職、起業等を円滑に成し遂げられる社会を実現する。

ア キャリア教育  イ リカレント教育  ウ ICT 教育  エ ESD  オ アクティブ・ラーニング

   
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問10 次の文は、中央教育審議会答申「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について」(平成 17 年)の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 幼稚園等施設において、小学校入学前の主に5歳児を対象として、幼児どうしが、教師の援助の下で、共通の目的・挑戦的な課題など、一つの目標を作り出し、協力工夫して解決していく活動を「( A )」として位置付け、その取組を推奨する必要がある。

・ 遊びの中での興味や関心に沿った活動から、興味や関心を生かした学びへ、さらに( B )等を中心とした学習へのつながりを踏まえ、幼児期から児童期への教育の流れを意識して、幼児教育における教育内容や方法を充実する必要がある。

   
1 協同的な学び 教科
2 協同的な学び 主体的な取組
3 人間性の涵養 教科
4 人間性の涵養 主体的な取組
5 プロジェクト学習 教科

令和3年 保育士試験(後期)及び
国家戦略特別区域限定保育士試験問題
社会的養護
(選択式 10 問)

問 1 次の文は、「児童福祉法」の第2条の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その( A )が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。

・ 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて( B )を負う。

・ ( C )は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。

   
1 意思 第一義的責任 児童福祉施設及び
児童福祉事業を運営する団体
2 意思 民法上の義務 国及び地方公共団体
3 意思 民法上の義務 児童福祉施設及び
児童福祉事業を運営する団体
4 意見 第一義的責任 国及び地方公共団体
5 意見 民法上の義務 国及び地方公共団体

問 2 次のうち、「児童養護施設入所児童等調査(平成 30 年2月1日現在)」(厚生労働省)における社会的養護の現状についての記述として、最も不適切なものを一つ選びなさい。

1 児童養護施設入所児童のうち、被虐待経験のある子どもは6割を超える。
2 里親委託児童のうち、家族との交流がない子どもは7割を超える。
3 母子生活支援施設への入所理由では、「配偶者からの暴力」が最も多い。
4 障害児入所施設入所児童の心身の状況において「広汎性発達障害」が最も多い。
5 自立援助ホームの入所児童等のうち、「LGBT」は1%程度である。

問 3 次の文は、「里親及びファミリーホーム養育指針」(平成 24 年3月 厚生労働省)の「里親・ファミリーホームの理念」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 里親及びファミリーホームは、社会的養護を必要とする子どもを、養育者の家庭に迎え入れて養育する「( A )」である。

・ また、社会的養護の担い手として、( B )な責任に基づいて提供される養育の場である。

・ 社会的養護の養育は、家庭内の養育者が単独で担えるものではなく、家庭外の協力者なくして成立し得ない。(中略)家庭内における養育上の課題や問題を解決し或いは予防するためにも、養育者は協力者を活用し、養育のありかたをできるだけ「( C )」必要がある。

ア 家庭養護  イ 家庭的養護  ウ 私的  エ 社会的  オ ひらく  カ とじる

   
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問 4 次のうち、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)において、児童自立支援計画の策定が義務づけられている施設として、正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 乳児院

B 児童厚生施設

C 児童家庭支援センター

D 児童心理治療施設

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問 5 次の文は、「児童虐待の防止等に関する法律」の第 14 条の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

児童の親権を行う者は、児童の( A )に際して、体罰を加えることその他民法(明治 29 年法律第 89 号)第 820 条の規定による( B )及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を( C )してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。

ア 指導  イ しつけ  ウ 保護  エ 監護  オ 懲戒  カ 訓告

    B C
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問 6 次のうち、社会的養護におけるライフストーリーワークに関する記述として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 ライフストーリーワークとは、子どもの痛みをやわらげるための、空想のストーリーの構築を支援することである。
2 ライフストーリーワークでは、写真等の画像は用いず、語ることを子どもに促す。
3 ライフストーリーワークは、子ども自身が自己の生い立ちを正しく理解するための支援である。
4 ライフストーリーワークは、児童相談所の児童心理司が行うものである。
5 ライフストーリーワークの対象となる児童の年齢は、12 ~ 18 歳である。

問 7 次のうち、社会的養護に関わる専門職等とその職種が必置と定められている施設・機関の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。

1 児童委員 福祉事務所
2 児童福祉司 児童相談所
3 個別対応職員 児童家庭支援センター
4 支援コーディネーター 児童相談所の一時保護所
5 里親支援専門相談員 児童自立支援施設

問 8 次のうち、社会的養護関係施設における第三者評価及び自己評価の実施に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

1 社会的養護関係施設は、第三者評価を5か年度毎に1回以上受審しなければならない。
2 第三者評価は、各施設が独自に作成した基準を用いて実施される。
3 利用者調査は、任意での実施とされている。
4 ファミリーホーム及び自立援助ホームの第三者評価の受審は努力義務とされている。
5 社会的養護関係施設は、第三者評価の受審年に限り、自己評価を行わなければならない。

問 9 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

就職して間もないP保育士は、Qホーム(地域小規模児童養護施設)でもう1名のR保育士とS児童指導員で6名の子どもたちの養育を行っている。この6名の子どものうち、T君(中学2年生、男児)は、P保育士と全く話をしようとしない。P保育士は、何度かその後も声をかけ続けたが、無視される状態が続き、T君にどのように関わればよいかわからない状態であった。そこで、S児童指導員に相談をした。

【設問】

次のうち、S児童指導員からP保育士への対応として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A T君が無視しているのだからP保育士も無視するように指示する。

B P保育士の対応に問題があると指摘する。

C なぜ無視をするのか、その背景にあるものを共に考える。

D S児童指導員が、T君に無視する理由について何気なく聞いてみようかと提案する。

   
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×

問 10 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

夫からのDV被害により、Lちゃん(8歳、女児)と3か月前から母子生活支援施設に入所している母親のMさん(20 代)は、入所後に始めたアルバイトにも慣れ、家計のやりくりにも自信が持てるようになり、最近ようやく生活が落ち着いてきた。しかし、Mさんは今でも男性を見るとDV被害の場面を思い出して震えてしまうことがある。またMさんのストレスが高まった場面では、Lちゃんを怒鳴ることがあるが、こうした状況の後は必ず職員に「私は悪い親だ」と泣きながら話し、後悔している様子がうかがえる。Lちゃんは突然泣き出したりするなど情緒的に不安定な面が時折見られるが、小学校で仲の良い友人ができ、笑顔で過ごせるようになっている。

【設問】

次のうち、Mさん親子に対する母子生活支援施設の当面の支援として最も適切なものを一つ選びなさい。

1 MさんのLちゃんに対する対応は、虐待であるとの自覚を強く促す。
2 母子の自立支援の観点から、Mさんの就労支援を優先する。
3 DV被害による自己否定からの回復のため、Mさんにエンパワメントの取り組みを行う。
4 Lちゃんを児童養護施設に措置する方向で児童相談所に連絡する。
5 退所に向けて生活費の管理を母子支援員が行う。

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