保育に使える!手作りエプロンシアターの作り方

なかのゆうと
監修なかのゆうと(保育士資格保有/著書「新人保育士のきほん」他)

エプロンシアターを手作りで作ってみた

エプロンシアターとは、エプロンを舞台に見立てて人形などを使ってお話をする人形劇のようなものです。市販のものもありますが、おおよそ1万円〜1万5000円程度と高価なことと、お話の種類が限られています。そのため今回は自分の好きなお話に合わせて手作りに挑戦してみました。

エプロンシアターでお話をすると、子どもたちは目の前で広がる立体的なお話に興味津々です!よく集中してお話を聞いてくれます。そんな光景を思い浮かべながら今回は『さるかに合戦』のお話をエプロンシアターにして作成してみました。

今回作成したエプロンシアターです。誰でも簡単に作れるのでおすすめです。

手作りエプロンシアターの制作手順

1、構想を練る

まずどのようなエプロンシアターを作成するかを決めて、ある程度まとまったところでノートなどに書きだしてみてください。大まかなストーリーや、必要なキャラクターなど書きだしておきましょう。

ストーリーとなる絵本などがある場合でしたら、それを参考して何が必要か?どんなキャラクターを人形にするかなど決めやすいです。

2、材料を集める、買う

  • エプロン用 布 ※1m 約1000円程度
  • フェルト ※小 80円程度 大350円程度
  • 綿(わた)
  • 刺繍糸
  • 人形の目
  • 布用ボンド
  • マジックテープ
  • 裁縫セット
  • ミシン(※なくても作れます)

今回の『さるかに合戦』のエプロンシアターの作成に使った費用は2,000円程度でした。ただ、不要なエプロンを使ったり、マジックテープなども不要なものから再利用したりと、工夫をすればもっと費用を抑えることができます。

※フェルト、糸は100円ショップにもありますが、使ってみたところ生地の質が悪い印象があり、糸は少し絡みやすかったです。手芸屋さんなど専門店にある生地もうまく混ぜて使うのがおすすめです。

3、エプロンづくり

型紙がないので、元々あるエプロンを参考しながら作っています。無地のエプロンも安く売っているので、作るのが大変に感じたら購入したものを利用してください。ただ、私も裁縫には慣れていませんでしたが、数時間で迷うことなく簡単に作ることができました。手作りの温かい感じなど出るのでより愛着がわくかもしれません。

おおよその折り目をつけてカットします。あとはそれに合わせて縫うだけです。また、エプロンの裏面にはキャラクターをしまっておく場所をつくると便利です。

4、登場するキャラクター作り(フェルトに下書き→裁断→刺繍)

【作るキャラクター】
  • カニ
  • くり
  • さる
  • うす
  • はち
  • おにぎり
  • かきの種

【作るアイテム】
  • さるの家
  • くさ
  • 柿の木

上の写真のカニですが、赤いフェルトにカットするラインをチャコペンで下書きしてカットしました。※簡単な形は下書きしなくても大丈夫だと思います。
綿を入れるため、同じ形が2枚必要なるので、カットするときはフェルトを2枚重ねていっぺんに切ってください。

切り終わったら、パーツごとに縫いつけていきます。縫う道具ですが、私はミシンと手縫いの両方を使い分けました。マジックテープなどの固いところはミシンがおすすめです。すべてミシンのほうが楽そうに感じますが、糸の色換えが面倒だったり、細かいパーツを作成するには手縫いのほうが早かったりするので、使い分けるのがいいと思います。

パーツは縫い終わる頃にストップして、綿をつめてください。すると、ふっくら人形の出来上がり!

※カニの目はボンドでつけました。少し大きい目をつけると可愛さがアップします。人形の可愛さは目の大きさや位置が重要です。

キャラクターだけでも数が多いので1日2~3個ぐらいのペースで進めました。裁縫に慣れている人でしたら、1日で作ってしまえるかもしれませんが、私の場合は、あまり裁縫が得意ではないので、だんだんといい加減になったり、楽しく作るのが少し苦痛になったりしたら嫌だったので、無理のないペースで作るのが楽しく作るコツだと感じます。

5、仕上げ・その他

さるかに合戦はストーリーのなかで柿の木を隠すシーンがあるため、エプロンの余った布でしかけを作りました。エプロンの必要な箇所にマジックテープも縫い付けます。右下の写真が全体的な完成したエプロンシアターになります。

6、完成 / 感想

最後まで楽しく作ることができました。おそらく裁縫に慣れている人でしたら、1日あればつくれるかもしれません。私の場合は、1日にすこしずつ進めたので時間はかかりましたが、作るものさえ決まってしまえばそんなに時間はかかりません。作っているときも楽しいですが、やはり作ったエプロンを子どもたちに見てもらうのが一番の楽しみです。

ちょっと話を聞いて欲しい時、時間があいてしまった給食前、みんなが集まるまでの時間、そんな場面はたくさんあります。子どもたちに「しずかに」と言っても効果がないことが多いので、そんな時に自分のもっている引き出しをあけて、このエプロンシアターを披露してあげられたらと思います。また、それが手作りだなんて素敵だな!と私は思っています。

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著作・制作など
保育士資格保持者なかのゆうとのイラスト
なかのゆうと(保育士資格保持)
監修・原作・執筆・編集
著書に『先輩が教えてくれる! 新人保育士のきほん(翔泳社)』、『保育士になろう!(青弓社)』。元私立幼稚園教諭。現役保育士や児童福祉施設などに勤務する方を取材し、保育現場のリアルを発信します。
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