保育士の退職理由

保育士を辞める時、どんな理由で退職しているのか?

2015年には新たに68,684人の保育士登録があり、年々保育士として活躍される方は増加傾向にあります。一方、何らかの理由により保育士を退職されていく方もいるわけですが、ここではどのような理由で退職するのかを統計から考察していきます。

下記は、『東京都保育士実態調査報告書(2014年/東京都福祉保健局) 』の調査内容の問と回答結果の数値を独自にグラフ化したものになります。

問 あなたが保育士として就業された保育所等を退職した理由としてあてはまるものをお答えください。(○はいくつでも)

1 結婚 6 給料が安い 11 職業適性に対する不安
2 妊娠・出産 7 仕事量が多い 12 他業種への興味
3 子育て・家事 8 労働時間が長い 13 家族の事情(介護等)
4 健康上の理由(体力含む) 9 職場の人間関係 14 配偶者の意向
5 転居 10 保護者対応等の心労 15 その他(具体的に)

調査結果では、4人に1人が「妊娠・出産」もしくは「給料が安い」を退職理由としてあげています。次に高いのが全体の2割で挙げている「職場の人間関係」「結婚」「仕事量が多い」となります。

また、それぞれの項目(上位8位まで)に関して雇用形態と運営主体別に数値を出した詳細が下の表になります。

  妊娠・出産 給料が安い 職場の人間関係 結婚 仕事量が多い 労働時間が長い 健康上の理由(体力含む) 他業種への興味
累計 25.7 25.5 20.6 20.4 20.3 17.5 15.7 14.3
正規職員 24.3 28.4 26.3 28.9 27.2 25.5 16.7 13.6
有期契約職員
フルタイム
28.5 26.7 16.6 15.3 16.1 13.7 14.5 18.1
有期契約職員
パートタイム
26.8 21.3 13.4 8.3 11.6 6.3 14.9 13.3
                 
公設・公営 24.4 14.6 13.4 19.6 10.2 7.8 13.1 15.4
公設・民営 22.7 34.5 20.7 20.2 25.6 25.1 17.7 10.8
民設・民営
(社会福祉法人)
27.7 25.6 24.8 24.3 25.2 21.7 16.6 14.9
民設・民営
(株式会社)
25.9 43.8 23.1 12.9 28.5 22.8 19.5 14.4
民設・民営
(NPO法人)
22.6 26.4 20.8 20.8 17.0 17.0 13.2 11.3
民設・民営
(個人)
23.6 24.1 21.0 16.9 16.9 14.4 14.9 14.9
  妊娠・出産 給料が安い 職場の人間関係 結婚
累計 25.7 25.5 20.6 20.4
正規職員 24.3 28.4 26.3 28.9
有期契約職員 フルタイム 28.5 26.7 16.6 15.3
有期契約職員 パートタイム 26.8 21.3 13.4 8.3
         
公設・公営 24.4 14.6 13.4 19.6
公設・民営 22.7 34.5 20.7 20.2
民設・民営 (社会福祉法人) 27.7 25.6 24.8 24.3
民設・民営 (株式会社) 25.9 43.8 23.1 12.9
民設・民営 (NPO法人) 22.6 26.4 20.8 20.8
民設・民営 (個人) 23.6 24.1 21.0 16.9
  仕事量が多い 労働時間が長い 健康上の理由(体力含む) 他業種への興味
累計 20.3 17.5 15.7 14.3
正規職員 27.2 25.5 16.7 13.6
有期契約職員 フルタイム 16.1 13.7 14.5 18.1
有期契約職員 パートタイム 11.6 6.3 14.9 13.3
         
公設・公営 10.2 7.8 13.1 15.4
公設・民営 25.6 25.1 17.7 10.8
民設・民営 (社会福祉法人) 25.2 21.7 16.6 14.9
民設・民営 (株式会社) 28.5 22.8 19.5 14.4
民設・民営 (NPO法人) 17.0 17.0 13.2 11.3
民設・民営 (個人) 16.9 14.4 14.9 14.9

こちらの表をみて分かる通り、4人に1人が「給料が安い」という理由で退職している結果に対して、『公設・公営』の保育所では14.6%とぐっと低くなっていることから、公務員の保育士が安定した収入を得ていると考察できます。さらに「仕事量が多い」「労働時間が長い」「健康上の理由(体力を含む)」のそれぞれの数値も突出して低くなっており、待遇の良さを裏付けるものになるでしょう。

また、「給料が低い」と並ぶ退職理由の「妊娠・出産」ですが、これも保育業界ならではの特徴的な数値となります。保育業界は女性が中心となって働いていることと妊娠・出産が今後の保育士としてのスキルにつながることからこの数値が高くなっていると考察できます。別の業界では「妊娠・出産」はブランクされてしまうことが多いですが、保育士業界では、「妊娠・出産」で退職したとしてもそれがスキルとなるため、復職しやすいといった特徴があるためです。「妊娠・出産」が強みになる職業は保育士資格の魅力とも言えるでしょう。

グラフにある「その他」の項目についてですが、具体的には「契約期限・派遣期限・臨時職員期間満了による退職」が多くを占めていました。保育所では、保育士の設置基準というものが設けられているため、常に決められた一定の保育士がいないと運営が認められていません。そのため産休などで常勤の保育士がいなくなる場合、有期契約の保育士が募集されることが多く、その結果一定数の退職者がでることになります。

保育士の実際の退職理由をみていかがでしたでしょうか?退職理由を事前に知っておくことで、自分の保育士のキャリアをどうしていくかの参考になるでしょう。また、これから保育士を目指す方にとっては、今後どういった保育施設を志望していくのか?保育士の退職理由も参考にしておくときっと役に立つことと思います。

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