保育士の退職理由

保育士を辞める時、どんな理由で退職しているのか?
毎年新たに何万人もの保育士登録があり、2023年の段階で保育士として登録されている人数は約167万人となりました。年々保育士として活躍される方は増加傾向にあります。一方、何らかの理由により保育士を退職されていく方もいるわけですが、ここではどのような理由で退職するのかを統計から考察していきます。
まずは参考に、どのような理由で退職を検討しているのか、また実際に退職した理由について統計でまとめたデータがあります。以下のデータは、『東京都保育士実態調査報告書(2022年、2018年/東京都福祉保健局)』の調査内容の問と回答結果の数値を独自にグラフ化したものです。
問 あなたが保育士として就業された保育所等を退職した理由としてあてはまるものをお答えください。(○はいくつでも)
1 結婚 6 給料が安い 11 職業適性に対する不安 2 妊娠・出産 7 仕事量が多い 12 他業種への興味 3 子育て・家事 8 労働時間が長い 13 家族の事情(介護等) 4 健康上の理由(体力含む) 9 職場の人間関係 14 配偶者の意向 5 転居 10 保護者対応等の心労 15 その他(具体的に)
【グラフ】令和4年(2022年)保育士の退職した理由と退職意向理由
【グラフ】平成30年(2018年)保育士の退職した理由と退職意向理由
調査結果を見ると、退職を考えている方の6割の方が「給料が安い(61.6%※2018年の68.7%から7.1%減少)」「仕事量が多い(54.0%※2018年の61.9%から7.9%減少)」を退職の理由として上げており、引き続き、順位は変わらないものの、保育士の賃金アップや業務負担の軽減の取り組みの結果が現れた結果となっています。
ただ、実際に辞めた原因は、4割弱の方が職場の人間関係を退職理由に上げており、「賃金や仕事量」に不満があり、人間関係などの縺れから実際に退職をするといった流れが多くみれるようです。
この結果から、給与や業務負担の改善が進む一方で、職場の人間関係やコミュニケーションの問題が依然として大きな課題であることがわかります。職場環境の改善には、賃金や労働条件の見直しだけでなく、チームビルディングやコミュニケーションスキルの向上も重要であることが示されています。 さらに、調査は他の要因についても明らかにしています。例えば、キャリアアップの機会の不足や、職場のサポート体制の不備なども退職を促す要因として挙げられています。これらの問題に対処するためには、保育士のキャリアパスの明確化や、メンターシッププログラムの導入などが有効な手段となるでしょう。 総じて、保育士の離職率を下げるためには、多角的なアプローチが必要であり、給与や労働条件の改善だけでなく、職場の人間関係やサポート体制の強化も重要です。今後の取り組みとしては、これらの要素を包括的に改善していくことが求められます。
【データ】保育士の退職した理由と退職意向理由の雇用形態別詳細
以下は、それぞれの項目に関して雇用形態別に数値を出した詳細になります。


こちらの表をみて分かる通り「仕事量や労働時間」「給料が安い」という理由が上位を独占しており、『給料の割には精神的にも肉体的にも大変で人間関係によっても状況がとても左右される仕事』ということを表しています。
ただし、『公設・公営』の保育所に限るとそれぞれの割合がぐっと低くなっており、「仕事量が多い」「労働時間が長い」「健康上の理由(体力を含む)」のそれぞれの数値も突出して低く給料への不満も少ないことから待遇の良さを裏付けていました。
保育士は妊娠・出産を機に退職しても復職が容易
以前に比べ「結婚」「妊娠・出産」を機に退職は少なくなったものの、他業種に比べると比較的高い水準になります。これは保育業界ならではの特徴的な数値で、保育業界は女性が中心となって働いていることと妊娠・出産が今後の保育士としてのスキルにつながることからこの数値が高くなっていると考察できます。
別の業界では「妊娠・出産」はブランクされてしまうことが多いですが、保育士業界では、子育てをしたことがある先生はやはり説得力が違います。お母さん同士の会話なども実際に自分が出産して育てているのですから、言葉にもグッと重みが出てくるわけですね。もちろん若い先生は若い先生なりに違う魅力を持っていますが、子育てへの共感など「妊娠・出産」したことがスキルとなる数少ない仕事の一つです。それ故に「妊娠・出産」が強みになる職業は保育士資格の魅力とも言えるでしょう。
期間の決まった働き方をする保育士も増加
グラフにある「雇用契約の終了」の項目は具体的には「契約期限・派遣期限・臨時職員期間満了による退職」が主になります。保育所では、保育士の設置基準というものが設けられているため、常に決められた一定の保育士がいないと運営が認められていません。そのため産休などで常勤の保育士がいなくなる場合、有期契約の保育士が募集されることが多く、その結果一定数の退職者がでることになります。
このような期間を限定した保育士は、給料が高い傾向にあるため派遣に絞って職を探す人もいます。自分に合わない保育園でも一定期間と思えば続けられますし、自分に合うことがわかってから正式に保育士として採用してもらうこともできるので、選択肢としては非常に有効です。
保育士の実際の退職理由をみていかがでしたでしょうか?退職理由を事前に知っておくことで、自分の保育士のキャリアをどうしていくかの参考になるでしょう。また、これから保育士を目指す方にとっては、今後どういった保育施設を志望していくのか?保育士の退職理由も参考にしておくときっと役に立つことと思います。
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