男性保育士 本当のはなし1

なかのゆうと
監修なかのゆうと(保育士資格保有/著書「新人保育士のきほん」他)

男性保育士 本当のはなし1

男性保育士だけの悩み

男性保育士の悩みとしてよくあげられる一つに職場環境の問題があります。私が新人保育士だった頃は、周りの友人などからは「女性の先生に囲まれていいね」や「綺麗なおかあさんとかと話せるんでしょ」といったことを冗談半分でよく言われましたが、当時実際に女性が多くいる職場で実際に働いている私にとっては、男性が少ないという環境が想定していたより大きな悩みの一つとなっていました。

男性保育士職場

例え話になりますが、あなたがもし「女性だけが集まる習い事の教室に1年間通う」ことになったとしたらどう感じるでしょうか?「やった!」と素直に喜べるでしょうか?一日でしたらなんとかなる気持ちになるかもしれません。しかし、1年間毎日頑張って通い、クラスメイトとコミュニケーションをとって、なんらかの目標を達成しなくてはなりません。そう置き換えてみると多くの男性の方はきっと『楽しみ』より『不安』のほうが大きく感じるのではないでしょうか?教室には女性だらけ。ちょっとうまくやっていけるか大変そうですよね。

私が新人の頃勤務したときは、男性の先生は自分一人でした。これは別に特別なことではなく多くの男性保育士が同じような経験をすることが多いです。実際に働き始めた頃ですが、ただでさえ職場に慣れない緊張感に加え、『男性ひとり』→『仲間がいない』といった不安をとても感じていました。

また、自分だけが不安を感じるわけではなく、年の近い女性の先生も「どう接したらいいか不安」に思われたり、やりにくいと感じる先生もいます。周りの先輩先生方も男性の先生が入る職場に慣れていないこともあるためこれは仕方がないことです。

ただ、そのような中でも私の場合は、年配の女性の先生は初めからとてもフレンドリーに接してくれたりすることもあってとても頼りがいがあり、話しやすさを感じました。

悩みの相談はどうする?

仕事で悩みはつきものですが、誰に相談するか考えたときに仕事の悩みを同じ職場で働いている人に相談したい状況もよく出てきます。そういった時、一般的な会社に勤めているのでしたら仕事帰りに食事でもしながら相談したりもできますが、男性保育士はそうは簡単に仕事帰りに相談することも難しい場合があります。なぜかというともし男性保育士のあなたが女性の先生と2人で食事にいって相談をしたりすると、場合によっては思いもよらない噂話しなどが流れる可能性があるからです。

実際に他の男性保育士の方にそのことについて尋ねると、『(若い女性の先生とは特に)二人になるときは気をつける』、『保育園の保護者の活動範囲では行動に気をつける』といったような回答が多くみられました。

特に大きな保育園では、自分は知らなくても保育園に通う保護者の方々は、男性保育士といっただけで珍しく覚えやすい存在になるので、まったく関わりのないクラスの保護者の方も男性保育士の方をよく覚えてくれてもらえている場合が多いです。

私も新人保育士として働き始めて間もない頃ですが、帰り道を歩いていると「先生!こんばんは、〇〇の母です」といった感じで普段は接点の少ない保護者の方に声をかけられたこともしばしばありました。実際、仕事中であるときはもちろん、オフのときであれどこで見られているか本当にわからないため、気を抜かないように心がけることが大切です。

さて話は戻りますが、では相談したいときはどうすればいいか?私の場合は、外で相談したいときは1対1は避けて何人かで会うといったルールを決めていました。

仕事上、相談するという行為はとても大切ですので遠慮なく相談してもらいたいです。『相談しずらいから』と不安を溜めてしまうことは一番避けなくてはなりません。悩みがあったらすぐに相談!でも、外で相談するときは保護者の目などには十分に気をつけてください。

いかがでしたでしょうか?ここまでの話し読んでいただき、男性保育士って意外と大変だな」と思っていただけましたでしょうか?

男性保育士 本当のはなし2』では実際に保育現場であった男性保育士にしかない出来事を紹介していきます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
著作・制作など
保育士資格保持者なかのゆうとのイラスト
なかのゆうと(保育士資格保持)
監修・原作・執筆・編集
著書に『先輩が教えてくれる! 新人保育士のきほん(翔泳社)』、『保育士になろう!(青弓社)』。元私立幼稚園教諭。現役保育士や児童福祉施設などに勤務する方を取材し、保育現場のリアルを発信します。
ページのトップへ