保育士の給料

保育士の給料

保育士の給料といったらどのようなイメージをお持ちでしょうか?ここでは各調査資料を元に検証していきたいと思います。まずは、厚生労働省が毎年調査している賃金構造基本統計調査の『保育士(保母・保父)』の項目から確認してみましょう。

賃金構造基本統計調査『保育士(保母・保父)』より(平成26年度 厚生労働省調べ)

  • 平均年齢:34.8歳
  • 勤続年数:7.6年
  • 労働時間:168時間/月
  • 超過労働:4時間/月
  • 給与月額:216,100円
  • 年間賞与:573,800円
  • 平均年収:3,167,000円

ただし、ここで注意しておきたいのは『全国平均』の値ということです。そのため、この平均年収を超えてたから年収が高い、超えてなかったから年収が低いというわけではありません。

そこで、おおよその平均年収を出すために、都道府県別の賃金格差指数を元に保育士の平均年収を計算してみましょう。

上記の表は都道府県別の賃金格差を指数として表したものです。ここでは指数100を1として平均年収にかけて計算します。

東京の場合:年収×パーシェ指数『121.5/100』
3,167,000円×1.215=3,847,905円

宮崎の場合:年収×『80.0/100』
3,167,000円×0.8=2,533,600円

上記の値がより現実に近い保育士の平均的な給料の目安となります。

よくニュースなどでサラリーマンの平均年収が発表されていますが(平成25年度は414万円)、自分の年収と単純に比較してはならないのです。比較するときは都道府県別の賃金格差を考慮しないとあまり意味がないことがわかるかと思います。

これから保育士を目指している方は、自分が就労を考えている都道府県の平均賃金を算出してみてこれからの参考にしてみてください。

【資料B】福祉保育労働者の労働と生活の実態調査

調査時期 平成19年5月中旬  有効回答数2,822ケース

『正規職員の賃金額』 ※A
正規職員の賃金額 調査結果
10〜15万円未満 6.0%
15〜20万円未満 35,9%
20〜25万円未満 25.6%
25〜30万円未満 13.3%
30〜35万円未満 10.8%
35〜40万円未満 3.8%
40〜45万円未満 2.4%
45〜50万円未満 0.4%
50万円以上 0.1%
『勤続10年以上では賃金格差が広がる』※B
勤続年数 賃金額
10〜15年未満 15〜20万円未満から20〜25万円未満
15〜20年未満 15〜20万円未満から30〜35万円未満
20〜30年未満 20〜30万円未満から40〜45万円未満
回答者の職務
職種 回答者の割合
保育士 59.4%
指導員 14.0%
ケースワーカー、寮母、寮父 4.0%
その他 22.6%

参照データ『福祉保育労働者の労働と生活の実態調査』より

保育士の年齢層は20〜30代が中心

上記のデータ(表A)を見ると半数以上の方が25万円以内の給料となっていますが、そもそも保育士』という職業自体が20代〜30代が6割以上を占める若者の職場(下グラフ参照)として位置づけられているため、他の職種の平均賃金と単純に比較するのは注意が必要です。1〜5年程の勤務年数の給料では、同業種、他業種とも大きな違いはありませんが、アンケート調査結果にあるように、勤続10年以上から賃金格差が目立ち始めます。(※B参照)

公務員並主任、一方新人とほとんど差がない主任

ここで考察できるのは、経験を重ねていくことで、主任などの園を取りまとめられる存在になり、給料面も反映して働く方がいる一方、仕事の責任は重くなるが給料はほとんど変化が見られない方もいるといった両極端な状態が存在するいうことがわかります。

通常は主任ともなると園にとっては欠かせない人材となり、給料もそれに見合った受け取るのが普通ですが、保育施設によっては、給料は新人の保育士を大きな違いがない保育園もあります。そういった保育園はどう見極めたらよいのか?やはり好きな仕事でも給料がいつまでたっても変化がなければメンタル的にも意欲は半減してしまうと思います。そこでどういった特徴があるか調査してみました。

給料の上がらない施設の特徴は?

調べてみた結果、次のような特徴が見られました。
(対象は同窓生、保育研修で知り合った方々、コミュニティサイト等)

・小規模な保育施設
・『結婚したら退職』といった暗黙のルールのようなものがある園

現時点では、以上のような施設に傾向があるようです。
小規模な保育施設では、園長の力が大きく、園長の存在だけで園が回ってるような施設だったり、サービスや施設が充実してる大規模の保育施設に園児が流れてしまい、経営するのがやっとといった施設に多く見られる様です。
『結婚したら退職』のような風潮のある園は、理由は異なるにしろ、若い人材を雇用することで人件費を低く抑えて経営している園です。

仕事は勤務年数が長くなるにつれ居心地もよくなるものですが、せっかく長く勤めるのではあればやはり正当に評価していただきたいものです。同じ時期に資格をとった友人より、「責任のある主任で勤務時間も多いのに給料は下。」といったことにならないようにぜひ、職場は探しは慎重に焦らず行っていただければと思います。

では、給料の上がる施設の特徴は?

先程は給料の上がらない保育園の特徴を挙げさせていただきました。では、給料面で、しっかりしている可能性が高い保育園はどのような特徴があるか?
(※ここでは公立保育園は除きます。)

一番のおすすめは、『公立保育園から民営化をされた保育園』です。

近年、公立保育園の民営化が加速しているのはご存知でしょうか。(よく知らない方は当サイト『公立保育園の民営化』を確認してみて下さい。)

民営化されると、私立保育園が元公立保育園を運営することになるのですが、その私立保育園は行政側から選定されて運営を委託されます。保育園ならどこでもいいというわけではなく、市町村ごとに基準が設けられています。決して、入札や抽選で運営の権利を取得できるわけではないのです。

一例として、箕面市の民営化について見てみましょう。
箕面市立保育所の民営化について』の一文には以下のように記載されています。

民間法人の選定方法など

運営主体となる民間法人(社会福祉法人などの公益法人)は公募し、専門家などで構成する 法人選定委員会を設置して客観的・専門的観点から選定します。

法人の選定にあたっては、法人または法人を構成する職員の保育所運営経験をはじめ、児童福祉に対する考え方や保育計画及び長期的かつ安定的に運営ができることといった総合的な観点から審査を行います。

一文には『長期的かつ安定的』とあり、財政的に盤石でないといけないことがわかります。財政的に盤石ということは、保育業界全体から見てみると、給料面でもしっかりとしている園の割合が高いといえるのです。

私の周りにも何人か民営化された園に勤めている友人・知人がいますが給料面で安定している方が多いですし、離職率も低いです。

もし今後、就職先を探す機会があれば、『民営化された公立保育園』を就職先の一つの基準として参考してみると良いかもしれません。

 

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