需要の高まる男性保育士1
男性保育士の注目度は年々上昇している
『男性保育士』と耳にして、違和感を感じなくなったのはここ数年のことではないでしょうか。10数年前には、『カリスマ保育士』と呼ばれる方が注目され、『男性』の保育士が活躍しているということに少々驚きすらあった時代もありましたが、現在では『男性の保育士がいる』ということが不思議ではなくなりました。
最近ではTwitterなどのSNSを通して、保育園であった出来事などを発信するといった時代にもなり、『てぃ先生』『でこ先生』といった人気の男性保育士の方が活躍されています。
お部屋で遊んでいる時、女の子(4歳)が悪そうな顔で「ヒヒヒッ…このリンゴ たべて…」とおままごと用のおもちゃのリンゴを渡してきたので「あ!魔女だ!これ毒リンゴでしょー!」と言ったら、「そうだよ…でも ウサギさんの かたちに きったから たべてね…」って。この魔女、悪と愛が混在してる。
— てぃ先生 (@_HappyBoy) July 22, 2019
保育士実録 でこ先生
— でこぽん吾郎@「実録 保育士でこ先生」 書籍販売中 (@Dekopon_56) September 30, 2019
第107話 将来の夢 pic.twitter.com/zV4d3SWnIQ
年々、『男性保育士』という認知度が上がってきていることは喜ばしいことですが、実はまだまだ『男性保育士』の割合は少ないのが現状です。
実際に国勢調査のデータを元に働いている保育士全体に占める男性保育士の割合を見てみると、ようやく全体の人数の3%が男性となっており、2015年からの5年間で0.2%の上昇に留まります。
【グラフ】保育士の総数と男性の割合
※1995年~2015年の国勢調査より
年 | 1995 | 2000 | 2005 | 2010 | 2015 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|---|
総数(人) | 305,090 | 361,488 | 419,296 | 481,500 | 542,600 | 634,080 |
男性(人) | 2,515 | 4,666 | 9,277 | 12,100 | 15,980 | 19,930 |
割合(%) | 0.82 | 1.29 | 2.21 | 2.51 | 2.94 | 3.14 |
【グラフ】男性保育士登録件数の推移
男性で保育士資格を保有している人は年間4〜5000人程度増えており、2020年4月1日時点では、82,330人の資格保有者がいます。2005年には15,229人だった男性の資格保有者が15年で5倍以上に増えました。
男性保育士登録件数のデータ関して、保育士資格保有者はあくまで資格を取得した男性の数であり、実際に保育士として働いている方は、2020年時点で23.4%となっております。
詳しいデータに関しては『男性保育士の保育士就業率』で解説しております。
ただ、女性の資格保有者は2020年4月の時点で150万人(1,583,219人)を突破しており 、いかに男性がまだまだ少ない職種ということが伝わるのではないでしょうか。
【グラフ】2018年東京都保育士実態調査結果 前回調査時比較
東京都が保育士実態調査を行った際の回答者のプロフィールでは、男性が2018年に5.4%の回答となっており、東京都は全国平均より男性の割合が多いことが示唆されます。また、2013年から2018年の回答者男性の割合が4.6%から5.4%となっており、男性保育士が増えたという裏付けが確認できます。
【グラフ補足資料】回答者数 2013年 15,369人 | 2018年 15,538人
男性保育士が創る新しい環境
全体の保育士資格保有者の3%となると、現在の保育所では女性のみで運営されているところは依然として多く、男性保育士が採用されていた場合でも1、2人程度の保育所が多いのが実情です。
とはいえ、この3%に満たない男性保育士の方々が今までの保育所の環境では作りづらかった新しい環境を作り出しています。
新しい環境といっても、特別な環境ではありません。実はそれは多くの一般家庭には自然にある環境で、男性の先生と「ドッチボールをする」「一緒にご飯を食べる」「一緒に遠足に出かける」など、保育所での一日の中で男性が子どもと一緒に生活をすることなのです。
それだけのことですが子どもたちにとっては大きな違いを実感しています。一緒に遊ぶこともダイナミックな遊びが中心になったり、先生の行動には男性らしさが自然と表れ、それが子供たちの目に入るようになったりと、そうした中で子ども達が成長していきます。そもそも女性の先生とは違い、声や体つきなど男性にしかないものという特徴があります。そういったところも子供はよく見ています。
これだけでも子どもが豊かに育つ為には保育環境に少なくとも一人は男性保育士がいることが大切だと感じられますでしょうか。このような当たり前の環境を創ることが少し前までは到底できないのが現状でした。
理由は様々ですが、一番大きな理由としましては、『保育士=女性の仕事』と考えられていた風潮が大きく起因するでしょう。
しかし、近年では男女平等の流れが進み、男性でも堂々と保育士を目指せる環境が整いました。
それに伴い保育所としても男性を雇いやすくなり、『男性保育士が現れる → 保育所側も男性の必要性をあらためて感じる → 男性保育士の需要が高まる』といった良いサイクルが生まれ、男性保育士の需要が高まっています。
このサイトでは男性保育士について、良い面や苦労する面、実際の保育現場のエピソードにいたるまでさまざまな情報を届けていきたいと思います。
『需要の高まる男性保育士2』もあります。是非目を通してください。
これから保育士を目指す方々や、現役の保育士の方々が集まり、疑問や悩みを解決するのに少しでもお役立ちできることを願っております。
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