保育園と幼稚園の違いは?

園で働く側、子どもを預ける側の両方の視点から

『保育所』と『幼稚園』は未就学児童が通う施設ですが、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。ここでは保育士・幼稚園教諭として働く側と子どもを預ける側、両方の視点からそれぞれの違いをまとめましたので参考にしてみてください。
また、現在は幼稚園と保育園の一元化を図る『幼保一元化』の流れで『認定子ども園』が増加傾向にあります。こちらについての詳細は『幼保一元化とは』『認定こども園とは』とページをご確認ください。
基本的な保育園と幼稚園の違い一覧表
保育園 | 幼稚園 | |
所管省庁 | 厚生労働省 |
文部科学省 |
法令 | 児童福祉法 |
学校教育法 |
入園できる年齢 | 0歳児~小学校就学前 |
満3歳~小学校就学前 |
保育時間、保育日数 | 保育園では保育時間が原則8時間以上 |
標準4時間以上 |
1年間の保育日数 | 特別な規定なし |
39週を下回らない |
先生の配置基準 | 保育士1人につき |
1クラス35人以下 |
給食 | 義務 |
任意 |
保育者(資格) | 保育士(保育士資格) |
幼稚園教諭(幼稚園教諭免許) |
先生の勤務体系 | 早番・通常勤務・遅番などシフト体制。 |
固定勤務。預かり時間は少ないものの、預かり時間前後の業務で8時間~12時間程度勤務 |
保育内容 | 年齢に合わせた保育を行い、基本的な生活習慣の指導から、健全な心身の発達を目的とする保育指導など。 |
園によって特徴があり、こどもの自主性を尊重する自由保育を中心に行う園や、小学校入学に向けた教育に力を入れている園などがあります。 |
保育料 | 世帯収入に応じて(公立の場合) |
月額3万円程度〜(私立) |
保育者の年齢 | 36.7歳 |
34.3歳 |
勤続年数 | 7.8年 |
8.2年 |
実労働時間数 | 171時間 |
175時間 |
平均年収 | 363.5万円 |
366.5万円 |
詳細・その他の項目
管轄の違い
保育園と幼稚園の根本的な違いとして、保育所は『厚生労働省が管轄している児童福祉施設』となっており、幼稚園は『文部科学省が管轄している学校教育施設』と位置づけられています。このように管轄が違えば後述する制度やルールにも違いがあります。
先生の違い
まず保育園では、保育士資格を持った『保育士』がいなければいけません。
幼稚園ではどうでしょう?幼稚園の先生は『幼稚園教諭』という資格を持っています。二つとも子どもに関わる仕事として同じ分野ではありますが、保育士資格では幼稚園の先生として働くことはできず、逆に幼稚園教諭免許では保育士として働くことができません。
保育時間、保育日数の違い
保育園では保育時間が原則8時間以上
幼稚園では保育時間が標準4時間以上と決められております。
保育園では保育日数の基準はありません。日曜日、祝日以外は基本的に保育園は開いています。幼稚園では保育日数が『39週を下らない』と決められているので、夏休みなど長期休暇が設けられており、休みの数も園によってばらつきがあります。
入園条件の違い
保育園では、両親の仕事や病気などの理由により、子供が保育に欠ける状態であることを認められなければなりません。(特に公立保育園)
幼稚園では特に条件はありませんが、人気の高い幼稚園では、面接や適正テストをして実施する場合もあります。
保育内容の違い
保育園では目的が「日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること」(児童福祉法第39条)とあり、基本的に生活面を中心とした指導になります。幼稚園では目的が「幼児を保育し、適当な環境を与えてその心身の発達を助長すること」(学校教育法第77条)とあり、学習面を中心とした指導になります。
近年では、保育園と幼稚園の良いところを併せ持った『認定こども園』の設置を各自治体は推進しており、右肩上がりに増加しています。その背景には、待機児童問題や多様化する保護者の保育ニーズに対応する為、保育園のいいところと幼稚園の良いところを組み合わせた『認定こども園』の必要性があるためです。
多様化する保育ニーズには、保育園でも学習面に力を入れて欲しいといったことや、幼稚園でも保育時間を延ばして欲しいという需要があり、時代の流れにあった対応が求められています。詳細については、『認定こども園とは』、『幼保一元化とは』を参照して下さい。
保育料の違い
保育園の保育料は、世帯の収入によって異なります。 (無認可保育園は、補助金がないためおよそ10万円〜15万円が相場です)
また、各自治体によっても異なり、例えば前年度の世帯年収が600万円だった場合、以下の保育料が月額かかります。
東京都中央区 | 大阪府大阪市 | |
0~3歳未満 | 18,400円 |
45,100円 |
3歳 | 0円 |
0円 |
3歳以上 | 0円 |
0円 |
2019年10月より幼児教育・保育の無償化が始まり、3歳以上の子どもは保育料金がかかりません。0~3歳未満については、自治体によっては第二子が半額や全額免除になるところもあり、お住いの地域によって月額の負担額が大きく変わります。

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