食育を知ろう
食育とは?いま『食育』について関心が上昇中
『食育』という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?上記グラフは農林水産省が毎年実施している食育への関心度を調査したデータですが、食育に『関心がある』と回答した人の割合は全体の約8割という結果になりました。
近年では『食育』を積極的に取り入れている保育所が増加傾向にあり、保育士も食育についてある程度の知識を持っておくととても役に立ちます。ここでは、保育所における『食育』と『食育』の基本を中心にしっかりと解説していきたいと思います。
ヒューマンの通信講座 『食育』
おすすめ度 |
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利用料金 | 85,000円(税込) |
『食育』は近年注目されてきており、保育所全体で取り組んでいく活動も増えてきました。食に興味を持っている方、ワンランク上のできる保育士を目指す方におすすめです。
受講した方の口コミ
講座を受講したことで、園児たちに『食』についての大切さなど、自信を持って伝えることができました。
『食育』の基礎知識
食育とは、もともとは1900年頃からある言葉で、「食」に関する経験を通じて、「食」に対する知識を高めたり、健全な食生活を実践できるようにする教育の1つです。
特に味覚の発達する子どものころにジャンクフードなどで育った子どもはジャンクフードに慣れた味覚で発達してしまい、大人になっても健全な食生活に戻りにくくなってしまうという可能性があるといわれています。そのため「食育」は子どもの頃に学んでおくことが大切で、子ども達には『食育』を学べる環境を与えることが必要です。
そして、子ども達が『食育』を学ぶには、一番食事を共にするであろう両親の『食育』に対する意識が大切で、親子で一緒に「食育」について学ぶことが、健全な食生活を実践できるようになる重要なポイントと言えるでしょう。また、子どもたちが両親と同じくらい食事を共にすることが多いのが保育者になります。
保育所ではお昼ごはんとおやつの時間があるため1日に2回も子ども達と食事を一緒にとることになります。そのため保育所の保育者も『食育』についての知識を知っておく必要があるでしょう。「なぜ好き嫌いをしないでご飯を食べるのか?」「食事の大切さ」「料理をつくる力」など子ども達に教えることはたくさんあります。
では、実際保育所ではどんな食育を行っているの?
以下は、食育に関する目標などのガイドラインの一例となります。年齢別に食育の目標が決められており、子どもの成長に合わせた食育が行われます。
食育の目標
目標1 「食と健康」
食を通じて、健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う
目標2 「食と人間関係」
食を通じて、他の人々と親しみ支えあうために、自立心を育て、人とかかわる力を養う
目標3 「食と文化」
食を通じて、人々が築き、継承してきた様々な文化を理解し、つくり出す力を養う
目標4 「「いのちの育ちと食」
食を通じて、自らを含めたすべての命を大切にする力を養う
目標5 「料理と食」
食を通じて、素材に目を向け、素材にかかわり、調理することに関心を持つ力を養う
次に、実際に年齢別の食育計画を例にとってみてみます。
食育目標例:0歳児 食育計画(6か月~)
重点目標
食育目標1「食と健康」
食育項目 (テーマ) |
たくさん遊び、おなかがすき、おいしく食べる 自分の健康に関心を持ち必要な食品をとろうとする 健康な生活リズムを身につける うがい、手洗いなど身の回りを清潔にする |
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内容 | よく遊び食事をおいしく食べる いろいろな食品や調理形態に慣れる 決まった時間に食事をする おしぼりで拭いてもらったり、お茶を飲む |
保育園での 働きかけ |
心地よい空腹感が得られるよう活動を工夫する 咀嚼を促すような働きかけをするいろいろな食品や食材にすこしずつ慣れさせていく 生活リズムを作りながら食事が摂れるようにしていく 清潔にしてあげることでここちよさを知らせる |
家庭での 働きかけ |
体を動かしたり遊んであげおいしく食べられるようにする 咀嚼を促すような働きかけをする/バランスのよい食事を用意する 一日の生活リズムを作ってあげる 清潔にする習慣をつける |
上記の一例ですが、食育計画を作成するにあたっていくつかのポイントがあります。今回は自治体が作成した「保育園における食育の計画づくりガイドライン」を以下に記載しましたので、食育計画の作成に役立ててみてください。
①計画づくりの前に、子どもの姿を確認する。
「食育の計画づくりをすすめるためには、まず、子どもの姿(実態)に目を向け、食を通して、子どもがどのように育っているか、その理解を深めることが重要である」ことです。ですから、それぞれの保育所では計画づくりに先立ち、子ども達の姿を確認し、それらを職員全体で共有することが重要です。
②食育の計画は保育の計画に位置づけられる。
食育は食にかかわる保育であることから、食育の計画はその保育所の保育の基本的な計画 である「保育課程」と、「保育課程」に基づいて保育を展開するための具体的な計画である「指 導計画」の中に位置づけられる必要があります。また、給食(食事)は保育所における食に 関する重要な環境構成であることから、「食事提供に関する計画」は「指導計画」の一部とし て位置づけられています。
③計画の有無ではなく、保育における食育の位置づけや実践内容の質が問われている。
計画をつくることが目的になってしまうと、仕事を増やしただけで終わってしまいます。 ここでいわれている「計画づくり」とは、「計画から実践、それを振り返って評価し、再計画 までの一連の循環を職員全体ですすめていくプロセス」であり、実際の保育の質の向上につ ながるものであることに留意する必要があります。
④食育の計画は評価(振り返り)し、改善していくものである。
③で述べたように、食育の計画とは、計画から実践、評価(振り返り)、再計画までのプロ セスであることから、実践を評価(振り返り)し、次の実践にむけた再計画(改善)につな げていく必要があります。しかし、評価(振り返り)し、次の計画につなげていくところは、 まだ十分になされているとはいえない状況にあります。 評価(振り返り)のためには、食育の「ねらい・目標」を明確にし、その観点から子ども の姿を確認することが重要です。
また、保育に関わる者の援助とともに実践を記録し、評価 (振り返り)のための資料を蓄積する必要があります。記録の方法には参与観察や映像によ るものがあります。また、子どもの食事量や体位などの量的な記録も大切です。これらの記 録を丁寧にとること、すなわち実践の事実を丁寧に把握することが評価(振り返り)の質を 決めることから、記録の方法や職員間の分担などについて、事前に計画しておくことが重要 です。 そして、評価(振り返り)は、食における保育にかかわる職員全体(保育士、栄養士、調 6 理師、その他の職員)ですることが求められています。そのためには、定期的なミーティン グの実施について、計画段階から決めておく必要があります。
⑤食育の計画は子どもの状況に応じて柔軟に修正するものである。
食育の計画づくりにおいては、「十分に検討した計画であっても、仮説にすぎないことを理 解すること」で、「計画を忠実に実行することに固執することなく、眼前の子ども達の状況と 照らし合わせ、子どもの側に寄り添いながら臨機応変に計画を修正していくことが重要であ る」と計画の柔軟性が指摘されています。さらに、「計画と実践の間にズレが生じたときに、 実践の中で、子どもが興味をもつことに目をむけ、子どもの興味関心を広げ、新たな能力を 引き出すことができる保育者」が求められています。
『保育所保育指針』内の『食育』に関する記載について
また、参考資料として厚生労働省が告示する保育所における保育の内容や運営に関してまとめた『保育所保育指針』の第5章『健康及び安全』に記載されている食育についてを抜粋します。
保育所保育指針 第5章『健康及び安全』3、食育の推進
保育所における食育は、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標として、次の事項に留意して実施しなければならない。(一)子どもが生活と遊びの中で、意欲を持って食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。
(二)乳幼児期にふさわしい食生活が展開され、適切な援助が行われるよう、食事の提供を含む食育の計画を作成し、保育の計画に位置付けるとともに、その評価及び改善に努めること。
(三)子どもが自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員との関わりや、調理室など食に関わる保育環境に配慮すること。
(四)体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状態等に応じ、嘱託医、かかりつけ医等の指示や協力の下に適切に対応すること。栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること。
保育園での食育
私は『食育』の知識は保育士という仕事をする人にとっては必ず役に立つ知識と感じています。保育士という仕事をしていると、先生ひとりひとりに個性・特徴があり、子どもたちは自分の先生の姿に憧れたり、真似してみようと思ったりと、成長する過程で大きな役割をする存在です。
その先生方はそれぞれスポーツを教えるのが得意だったり、音楽が得意だったりします。そういった中で子どもに教える得意なことに『食育』という項目に自信があれば素晴らしいことだと感じます。子ども達に自信を持って指導できる項目が増えれば、自分自身の保育のスキルアップにもなりますし、子どもたちや保護者からの信頼にもつながるかもしれません。
なんとなく『いっぱい食べないと大きくなれないよ』と子どもに言い聞かせるだけでなく、『食育』のねらいや必要性、指導の方法などを保育者が理解して子どもと接することで、声掛けの方法を工夫してみたりと指導の幅が広がるはずです。『先生のおかげで、にんじんを食べるようになったんです』などと保護者の方から報告してもらえたときなどは、きっと保育者としてやりがいを感じ、『食育』について勉強してきたことが報われるはずです。
子ども達に指導した経験がある方はわかると思いますが、子どもたちは素直で、保育者の影響を多く受けます。保育者の子ども達に対する教え方ひとつで子ども達の反応は変わりますし、興味をもってくれたりするので、そこが保育者としてはおもしろいところでもあり、間違ったことをできない部分でもあります。ですので、保育者として保育現場に立つ際は是非、『食育』に対する知識を高めて子ども達と過ごしていただけたらと思います。
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