令和7年 保育士試験(後期)問題
保育原理
(選択式 20 問)
問1 次のうち、子どもの最善の利益にもとづく保育として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 0歳児クラスにおいて、できるだけ早い時期にクラス全員の食事時間を合わせられるように、家庭で離乳を早く進めるように保護者に促す。
B 0歳児クラスでは、食事時間に立ち歩かないようチェアベルトを着用しているが、食べ終わった子どもも、全員が食べ終わるまでベルトを外さない。
C 1歳児クラスにおいて、白飯を全く食べようとしない子どもに一口だけ食べてもらうために口を開けた瞬間にスプーンで白飯を入れ込む。
D 2歳児クラスにおいて、苦手なおかずを残してそれ以上食べようとしない子どもに、「あと一口食べるまで席を立てないよ」と言う。
E 2歳児クラスにおいて、尿意の有無にかかわらず子どもが排尿するまで便器に座らせる。
問2 次の(a)~(d)の下線部分のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」1「保育所保育に関する基本原則」(2)「保育の目標」の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
保育所は、入所する子どもの保護者に対し、その(a)意向を受け止め、子どもと(b)保育士等の安定した関係に配慮し、保育所の特性や保育士等の(c)専門性を生かして、その(d)指導に当たらなければならない。
問3 次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」の一部として、正しいものを3つ選びなさい。
問4 次のうち、「こども基本法」第3条の一部として、(a)~(e)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
・ 全てのこどもについて、個人として尊重され、その(a)基本的人権が保障されるとともに、差別的取扱いを受けることがないようにすること。
・ 全てのこどもについて、適切に養育されること、その生活を保障されること、(b)愛され保護されること、その健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉に係る権利が等しく保障されるとともに、(c)児童福祉法の精神にのっとり教育を受ける機会が等しく与えられること。
・ 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して(d)その記録を閲覧する機会及び多様な(e)社会的活動に参画する機会が確保されること。
問5 次のうち、2015(平成 27)年にスタートした「子ども・子育て支援制度」において、地域型保育給付の対象となったものを3つ選びなさい。
問6 次の「児童福祉法」の条文について、【設問】に答えなさい。
第 39 条 保育所は、保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設(利用定員が 20 人以上であるものに限り、幼保連携型認定こども園を除く。)とする。
【設問】
次のうち、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 「保育を必要とする」要件は保護者の就労のみである。
B 「乳児」とは3歳未満児である。
C 「利用定員」が 20 人未満である施設の一つとして、小規模保育事業によるものがあげられる。
D 「幼保連携型認定こども園」で職務に従事する保育教諭は、保育士登録を必要としない。
問7 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
11 月、実習生Yさんは、4歳児クラスの子ども5人と園庭で鬼ごっこをすることになる。このクラスでは、“バリア”と伝えることで、鬼がタッチできないというルールがある。始める前に、子どもたちはバリアをどうするかの話をし、「ありがいい」というT君に対し、S君は「なしだよ。だってずっとバリアやるから」という。Yさんは「今回はバリアなしにしよう。おにの子がタッチできなくなっちゃうからね」とみんなに伝えて、バリアはなしで鬼ごっこが始まる。
しばらくして、T君が一人でYさんのところにやってくる。「やっぱりバリア使いたい。すぐ捕まっちゃうもん」と不満そうな表情で伝える。Yさんは、「バリアがあると、おにのお友達も捕まえられなくて困っちゃうと思うよ」とT君に伝えるが、T君は納得がいかない様子である。そこでYさんは、「10 数える間だけバリアを使えるのはどうかな」とT君にだけ提案する。
その後、バリアを使うT君に、S君は「バリアはだめだよ」といい、T君は「バリアはいいんだよ。10 だけいいんだよ」とやりとりをしている。Yさんは、「ごめんね、10 数える間だけバリアを使わせてくれるかな」と子どもたちにお願いする。10 数える間だけバリアを使えるというルールで、その後の鬼ごっこは続いた。
【設問】
次のうち、「保育所保育指針」に照らし、この【事例】に対する実習生Yさんの振り返りとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 途中でT君の「バリアありがいい」という言葉を聞いて、Yさんはどうすべきかを自分なりに考えたが、先にルールを決めてしまったのだから、T君の言葉は無視するべきだった。
B 今日は 10 数える間はバリアを使っていいという形にしたが、バリアをどういう扱いにするといいのかは、みんなで話し合うように投げかけることも考えられた。
C バリアを使いたいという子どももいれば、ないほうがいいという子どももいる。考え方が違うと子ども同士のトラブルにつながるため、子どもが異なる考えを言わないように指導するほうが良かったのではないか。
D T君はバリアを使いたいと言っていたのに対し、Yさんが 10 数える間だけに限定したことが妥当だったのかどうかを考えなければならない。
問8 次のうち、「保育所保育指針」に照らし、乳児保育に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 乳児保育のねらい及び内容は、「健やかに伸び伸びと育つ」、「身近な人と気持ちが通じ合う」、「身近なものと関わり感性が育つ」という3つの視点ごとに示されている。
B 指導計画の作成にあたっては、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して作成し、必要に応じて個別的な計画を作成する。
C 全員が同じ生活のリズムで一日を過ごしていけるよう、午睡についても全員が同じ時間に入眠し、同じ時間に起床できるようにしなければならない。
D 玩具などは、音質、形、色、大きさなど子どもの発達状態に応じて適切なものを選び、その時々の子どもの興味や関心を踏まえるなど、遊びを通して感覚の発達が促されるものとなるように工夫する。
問9 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
X保育所では月に1回程度、職員間で子どもの姿について話し合う機会を設けている。内容は多岐にわたるが、今月は、W君(4歳)への関わりについて話し合うことになった。W君は、担当保育士からすると予測が難しい行動をとることが多く、事故につながりかねないようなヒヤリとする場面があったり、友達とトラブルになったりすることもある。
【設問】
次のうち、「保育所保育指針」に照らし、職員間での話し合いの方向性として、適切なものを3つ選びなさい。
問 10 次の文は、日本の保育施設の歴史についての記述である。(a)~(d)の下線部分が適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
1880 年代後半より(a)新潟静修学校の保育室をはじめ、各地に民間の託児所が創設されていった。その例として、(b)父親が就労するために設置された工場附設の託児所、貧困家庭の幼児を受け入れた「貧民幼稚園」などがあげられる。
第一次世界大戦後、物価の高騰により人々の生活は窮迫し、託児所の設置は社会政策上の課題となった。そのような中、都市の貧困層の幼児を対象に公立の託児所も設置され始め、1919(大正8)年に大阪市で最初の公立託児所がおかれた。1947(昭和 22)年の「児童福祉法」の制定により、これまでの託児所の多くは(c)児童福祉施設の一種として位置づけられ、(d)内務省が所管する「保育所」となった。
問 11 次の( )にあてはまる人物として、正しいものを1つ選びなさい。
1840 年、プロイセン(現在のドイツ)においてキンダーガルテン(Kindergarten)を創設した( )は、この施設を学齢までの子どもの保育のための施設として位置づけていた。キンダーガルテンを直訳すると「子どもたちの庭」であり、明治期の日本に導入された際「幼稚園」という語があてられた。現在のドイツにおいては、キンダーガルテンよりも総合保育施設であるキタ(Kita)が多数を占めている。
問 12 次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」ウ「環境」の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 安全で活動しやすい環境での探索活動等を通して、見る、聞く、触れる、嗅ぐ、味わうなどの感覚の働きを豊かにする。
B 玩具、絵本、遊具などに興味をもち、それらを使った遊びを楽しむ。
C 身近な生き物に気付き、親しみをもつ。
D 生活に関係の深い情報や施設などに興味や関心をもつ。
E 日常生活の中で数量や図形などに関心をもつ。
問 13 次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」に関する記述として、適切なものを3つ選びなさい。
問 14 次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」1「乳児保育に関わるねらい及び内容」(3)「保育の実施に関わる配慮事項」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 子どもの発達や成長の援助をねらいとした集団での活動の時間については、意識的に指導計画等に位置付けて、実施することが重要であること。
B 一人一人の子どもの生育歴の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が応答的に関わるように努めること。
C 保護者との信頼関係を築きながら保育を進めるとともに、保護者からの相談に応じ、保護者への支援に努めていくこと。
D 担当の保育士が替わる場合には、子どものそれまでの生育歴や発達過程に留意し、職員間で協力して対応すること。
問 15 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Kちゃん(女児)は2歳児クラスで、3歳になったばかりである。現在、Kちゃんは保育所でも家庭でも紙おむつを使っているが、最近はトイレでの排泄に興味をもつ姿が見られる。少し前まで、トイレに誘ってみてもKちゃんは、「すわらないの!」と言ってトイレに近づこうとしなかったが、最近は担当保育士が見守る中、便器に座り排泄できることが増えてきた。排泄できたときに、担当保育士が「できたね」と認めると、Kちゃんも満足そうな表情を見せるようになってきた。
Kちゃんの母親から、家庭でトイレット・トレーニングをしているといった話はこれまでのところ特にない。担当保育士は、この機会にKちゃんの紙おむつを布のパンツに切り替えていきたいと思い、母親と話をすることにした。
【設問】
次のうち、担当保育士からKちゃんの母親に話す内容として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A Kちゃんのトイレット・トレーニングを、まずは家庭から進めてくださいと伝える。
B 保育所では紙おむつをはずし、布のパンツを使っていきたいことを伝え、母親の意向をうかがう。
C 保育所での排泄に変化が出てきたことを伝え、家庭でもトイレに誘うなど働きかけてみてはどうかと伝える。
D 布のパンツに切り替える場合は、しばらくはズボンなどの着替えが多めに必要になることを伝える。
問 16 次のうち、保育所における障害のある子どもの受け入れに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 正当な理由なく、障害を理由として、保育の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限するといった不当な扱いは行わないようにする。
B 正当な理由なく、障害を理由として、保育標準時間の取扱いに差異を設けるといった不当な扱いは行わないようにする。
C 障害を理由として保育の提供等に差異を設けることの正当な理由の判断は、家庭環境、他の子どもへの影響といった観点に鑑みて行う。
D 障害を理由として保育の提供等に差異を設けることに正当な理由があると判断した場合は、障害のある子どもや保護者に丁寧かつ具体的にその理由を説明し、理解を得るように努めるようにする。
問 17 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
R保育所の4歳児クラスのP君は、落ち着きがなく、コミュニケーションに困難さがあるものの、お気に入りの電車の絵本を見るのが大好きである。朝の集まりや集団で行う活動の時間には保育室から飛び出して絵本のコーナーに行ってしまうことが多い。その都度、保育士が追いかけて保育室に戻るように促して、一度は保育室に戻るが、目を離すと再び飛び出してしまう。
また、P君は絵本を自分のペースでゆっくり見ることにこだわりがある。ある日、たまたま隣にいたQちゃんがページを先にめくってしまった。ページをめくられたP君は混乱し、思わずQちゃんの手を叩いてしまう。突然の出来事に驚いたQちゃんは泣き出してしまった。
【設問】
次のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」に照らし、担当保育士のその後の対応として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 「P君だからしかたない」と考え、飛び出してしまうことや叩いてしまう行動をそのままにする。
B P君も他児も落ち着いて過ごせるように朝の集まりや集団活動の前に絵本を読む時間を取り入れてみる。
C まず叩かれたQちゃんの様子を観察し、怪我などがないか確認する。
D Qちゃんに「びっくりしたね。P君はゆっくり見たかったみたいだね」とP君の気持ちを代弁し、P君には「Qちゃんは早く続きを見たかったみたい」とQちゃんの思いを伝える。
E P君の保護者にQちゃんの保護者の連絡先を伝え、直接謝罪してもらうようにする。
問 18 次のうち、保育士の行う子育て支援における職員間の連携・協働に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A 子育て支援では、保育士一人で抱え込むことがないよう、日頃から職員間で組織としての対応のルールや情報を共有しておくことが重要となる。
B 保護者への対応を含め業務全体の負担が職員間で偏らないよう調整することは、施設長などの管理職の重要な役割といえる。
C 保育所以外の関係機関と連携、協力する際は、素早く対応することが最優先であるため、すべての保育士が対応の窓口になり、個別に対応することが重要となる。
D 保護者への支援に関する記録等の保管や管理に関しては、保管の期間、場所、管理方法、アクセスできる職員や内容の範囲をあらかじめ明確にする必要がある。
E 職員間の連携・協働を効率的に行うためには、年齢や経験の違いを重視し、経験豊富な保育士が経験の浅い保育士を指導するといった役割分担が明確な組織の編成が重要となる。
問 19 次のうち、地域子ども・子育て支援事業の説明として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
A ファミリー・サポート・センター事業とは、保護者の世帯所得の状況等を勘案して、保護者が支払うべき日用品、文房具その他の教育・保育に必要な物品の購入に要する費用を助成する事業である。
B 一時預かり事業とは、保育認定を受けた子どもについて、通常の利用日及び利用時間以外の日及び時間において、認定こども園、保育所等で保育を実施する事業である。
C 子育て短期支援事業とは、養育支援が特に必要な家庭に対して、その居宅を訪問し、養育に関する指導・助言等を行うことにより、当該家庭の適切な養育の実施を確保する事業である。
D 乳児家庭全戸訪問事業とは、生後4か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問し、子育て支援に関する情報提供や養育環境等の把握を行う事業である。
問 20 次の表は、認定こども園に在籍している園児の年齢別在籍園児数を示したものである。この表を説明した記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。
表 年齢別在籍園児数 令和6年4月1日現在(括弧内は令和5年4月1日時点の数)
A 令和6年4月に認定こども園に在籍している園児の合計数は、120 万人を超えており、前年よりも増えている。
B 令和6年4月に認定こども園に在籍している園児の数は、幼保連携型が最も多く、地方裁量型が最も少ない。
C 令和6年4月に認定こども園に在籍している園児の数は、幼保連携型の5歳児が最も多く、認定こども園に在籍しているすべての園児数の 1/4 を超えている。
D 令和6年4月に認定こども園に在籍している園児の数は、地方裁量型の0歳児が最も少なく、認定こども園に在籍しているすべての園児数の1%にも満たない。
コメント一覧
僕は現在、保育士を目指している学生です。
この問題の点数が25点で、まだまだだと感じました…もっと知識を深めていきたいです