令和4年保育士試験問題(前期)
教育原理
(選択式 10 問)

問1 次の条文が示されている法令はどれか。正しいものを一つ選びなさい。

幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする。

1 日本国憲法
2 児童福祉法
3 教育基本法
4 学校教育法
5 子ども・子育て支援法

問2 次の文は、「教育基本法」第4条の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、( A )、性別、社会的身分、( B )的地位又は門地によって、教育上差別されない。

・国及び地方公共団体は、( C )のある者が、その( C )の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。

・国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、( B )的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。

   
1 信条 経済 資質
2 宗教 階層 資質
3 信条 経済 障害
4 宗教 経済 障害
5 信条 階層 障害

問3 次の文章の著者は誰か。正しいものを一つ選びなさい。

1 ルソー(Rousseau, J.-J.)
2 ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)
3 モンテッソーリ(Montessori, M.)
4 デューイ(Dewey, J.)
5 ブルーナー(Bruner, J.S.)

問4 次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A 一般の庶民にも開かれた教育機関である綜芸種智院を設立し、総合的な人間教育をめざした。

B 町人社会における実践哲学である石門心学を創始した。子どもの教育の可能性、子どもの善性を説く大人の役割についても言及した。

Ⅱ群

ア 石田梅岩

イ 最澄

ウ 大原幽学

エ 空海

オ 広瀬淡窓

   
1
2
3
4
5

問5 次のうち、「幼稚園教育要領」第1章「総則」第4「指導計画の作成と幼児理解に基づいた評価」の一部として、誤ったものを一つ選びなさい。

1 指導の過程を振り返りながら幼児の理解を進め、幼児一人一人のよさや可能性などを把握し、指導の改善に生かすようにすること。その際、他の幼児との比較や一定の基準に対する達成度についての評定によって捉えるものではないことに留意すること。
2 幼児の行う具体的な活動は、生活の流れの中で様々に変化するものであることに留意し、幼児が望ましい方向に向かって自ら活動を展開していくことができるよう必要な援助をすること。
3 幼児期は直接的な体験が重要であることを踏まえ、視聴覚教材やコンピュータなど情報機器を使用しないようにすること。
4 言語に関する能力の発達と思考力等の発達が関連していることを踏まえ、幼稚園生活全体を通して、幼児の発達を踏まえた言語環境を整え、言語活動の充実を図ること。
5 幼児が次の活動への期待や意欲をもつことができるよう、幼児の実態を踏まえながら、教師や他の幼児と共に遊びや生活の中で見通しをもったり、振り返ったりするよう工夫すること。

問6 次の文は、「小学校学習指導要領」(平成29年告示)に示された「教育課程の編成」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

低学年における教育全体において、例えば( A )において育成する自立し生活を豊かにしていくための資質・能力が、他教科等の学習においても生かされるようにするなど、教科等間の関連を積極的に図り、( B )及び中学年以降の教育との円滑な接続が図られるよう工夫すること。特に、小学校入学当初においては、幼児期において自発的な活動としての( C )を通して育まれてきたことが、各教科等における学習に円滑に接続されるよう、( A )を中心に、合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など、指導の工夫や指導計画の作成を行うこと。

ア 総合的な学習の時間  イ 生活科   ウ 幼児期の教育
エ スタートプログラム  オ 自然体験  カ 遊び

   
1
2
3
4
5

問7 次の文は、日本における明治期の教育についての記述である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

明治維新後、近代教育制度が確立されていった。1871(明治4)年に文部省が創設され、1872(明治5)年には学区制度と単線型の学校制度を構想した( A )が公布された。その後、初代文部大臣となった( B )は、国民教育制度の確立に力を注ぎ、特に初等教育の普及と教員養成の充実を図った。

 
1 教育令 西村茂樹
2 教育令 森有礼
3 学制 伊藤博文
4 学制 西村茂樹
5 学制 森有礼

問8 次のうち、「子ども・子育て支援法」第7条において定められる「教育・保育施設」として、あてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 幼稚園

B 保育所

C 認定こども園

D 小規模保育

E 地域子育て支援センター

1
2 × ×
3 × × ×
4 × × × ×
5 × × ×

問9 次のうち、「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」(外務省)の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、初等教育レベルの学力を獲得する

B ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う

C あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

   
1
2 ×
3 ×
4 ×
5 × ×

問10 次の文は、「子供の貧困対策に関する大綱~日本の将来を担う子供たちを誰一人取り残すことがない社会に向けて~」(令和元年 内閣府)の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子ども・子育て支援新制度に基づき、職員の配置や処遇改善等を通じた、幼児教育・保育・子育て支援の更なる質の向上を推進する。保育士等の専門性を高め、( A )が図られるよう、保育士等の給与状況を把握し、施策の効果を検証しながら更なる処遇改善に取り組む。

また、各地方公共団体への「幼児教育センター」の設置や「幼児教育アドバイザー」の育成・配置等、公私の別や施設種を超えて幼児教育を推進する体制を構築し、幼児教育施設の教職員等への研修の充実や小学校教育との接続の推進を図る。

さらに幼稚園教諭・保育士等による専門性を生かした子育て支援の取組を推進するとともに、子育てに悩みや不安を抱える保護者など、地域における保護者に対する( B )を充実するため、( B )チーム等による学習機会の提供や情報提供、相談対応、地域の居場所づくり、訪問型家庭教育支援等の取組を推進する。

   
1 研修の充実 家庭教育支援
2 保育の質向上 社会進出支援
3 保育の質向上 家庭教育支援
4 キャリアアップ 社会進出支援
5 キャリアアップ 家庭教育支援

令和4年保育士試験問題(前期)
社会的養護
(選択式 10 問)

問 1 次の【図】は、「社会的養育の推進に向けて」(令和2年 10 月 厚生労働省)における「家庭 と同様の環境における養育の推進」である。図中の( A )~( D )の語句が正しいものを ○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【図】
 
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×

問 2 次の文のうち、「児童養護施設入所児童等調査の概要(平成 30 年2月1日現在)」(厚生労働省)における、児童養護施設の入所児童の状況に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。

1 6歳未満で入所した児童が約8割である。
2 児童の平均在所期間は、10 年を超えている。
3 児童の入所経路では、「家庭から」が約6割である。
4 心身の状況において障害等を有する児童は、約7割である。
5 虐待を受けた経験がある児童のうち、心理的虐待は約6割である。

問 3 次のうち、「里親及びファミリーホーム養育指針」(平24年3月厚生労働省)における「家庭養護」の要件として、( A )~( C )の語句が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・(A 一貫かつ継続)した特定の養育者の確保

・特定の養育者との生活基盤の共有

・同居する人たちとの生活の共有

・生活の(B 柔軟性)

・(C 地域社会)に存在

   
1
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×

問 4 次の文は、「児童養護施設運営ハンドブック」(平成26年 厚生労働省)の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 記録は、子どもや家族の状況がそこに反映するのみならず、職員のその子どものとらえ方や家族に対しての思いも表現されます。( A )にとらえ記録していくよう心がけても、そこにはその職員の( B )が反映されてきます。そうした記録の内容を振り返ることにより、子どもの理解の仕方や自分の( B )、こだわりがどこにあるのかを知り、子どもへの関わりに活かすことが求められます。その一方で、記録は養育を( C )いくための重要な資料です。子どもの問題行動についての記述も大切ですが、子どもの変化への気づきや成長を感じたエピソードなども重要な情報であることも忘れてはなりません。

   
1 主観的 価値観 決定して
2 主観的 習慣 引き継いで
3 客観的 価値観 引き継いで
4 客観的 習慣 引き継いで
5 客観的 価値観 決定して

問 5 次のA~Dの事項を年代の古い順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「社会的養護の課題と将来像」(児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会・社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会)

B 「新しい社会的養育ビジョン」(新たな社会的養育の在り方に関する検討会)

C 「児童の権利に関する条約」(国連)

D 「児童の代替的養護に関する指針」(国連)
   *C、Dについては国連総会採択時

1 A→B→C→D
2 A→B→D→C
3 C→A→B→D
4 C→D→A→B
5 D→C→A→B

問 6 次の文のうち、アタッチメントに関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 回避型のアタッチメントでは、養育者との分離時や再会時に、固まったり近づいたと思ったら離れたり、一貫性がない傾向がみられる。

B 養育者の子どもに対する感受性、応答性、一貫性が保たれていることが重要である。

C 無秩序型のアタッチメントでは、養育者と分離後、一貫して再会してもあまり気にしていないような傾向がみられる。

D 養育者にアタッチメントへの理解があることにより、子どもの表面的な行動に惑わされることが少なくなる。

1
2
3
4
5

問 7 次のうち、乳児院に配置される職員として、不適切なものを一つ選びなさい。

1 保育士
2 少年を指導する職員
3 家庭支援専門相談員
4 里親支援専門相談員
5 看護師

問 8 次の文のうち、社会的養護に関わる相談援助の知識・技術に関する記述として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 入所児童の言動や家族の状況について情報を収集し、その全体像を把握し、現状を評価する取り 組みをエンパワメントという。
2 入所児童数人で一つの目標に取り組み、その際に生じる相互関係を通して問題解決を図る取り組 みを生活場面面接という。
3 子どもが本来持つ力に着目し、それを発揮しやすい環境を整えることをアセスメントという。
4 ティータイムなど、施設生活の中で職員が意図的に面接場面を設けることをインテークという。
5 子どもが永続的かつ恒久的に生活できる家庭環境で、心身の健康が保障された生活を実現するた めの援助計画をパーマネンシー・プランニングという。

問 9 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

F君(14 歳)は、父親から虐待を受け、地域小規模児童養護施設で生活している。F君は、共に生活しているG君(4歳)に対して、攻撃的な行動が目立つようになった。ある日、F君は、H保育士がいる前で「お前(G君)、親が来たからって、いい気になってるんじゃねえぞ」と怒鳴りつけた。G君はF君の発言に恐怖を感じている様子が伺えた。H保育士は、最近、G君が家族との面会があるたびに、F君のこうした攻撃的言動がみられていること、またF君の家族との面会が最近ないという情報を把握していた。

【設問】

次のうち、H保育士のF君への対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A F君が家族の面会がない喪失感を抱えていると考え、その感情に寄り添う。

B F君の家族関係の調整を家庭支援専門相談員と協議して行う。

C F君への自省を求めるために、攻撃的な行動が間違いであると強く叱責する。

D F君への刺激を低減するために、G君の面会を控えるようにする。

   
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×

問 10 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

Lさん(20代、女性)とその娘のMちゃん(4歳、女児)は、2年前から母子生活支援施設で暮らしている。Lさんの元夫からのDVが理由である。母子ともに入所当初、情緒的に混乱している様子がみられた。しかしLさんは、母子支援員との信頼関係の構築や、離婚の手続きが完了したこと、心療内科通院による治療により、最近は落ち着いた暮らしができている。半年前から始めた事務の仕事にも慣れ、安定した収入が得られる見通しが立ち、Lさんから退所の意向が示された。ただしMちゃんは今でも、大人の男性を怖がったり、大きな音に対して過敏に反応して泣き出したりするなど、情緒的に不安定な面がある。

【設問】

次のうち、Lさんを担当する母子支援員の対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 母子生活支援施設の退所に際しては、児童相談所の措置解除の手続きが必要であることをLさんに伝える。

B 退所後のアフターケアが効果的に行われるよう、退所後の支援計画を作成する。

C 必要に応じて、退所後に生活する地域の関係機関や団体とネットワークを形成する。

D Mちゃんの情緒面が心配であるため、退所を思いとどまるように指導する。

   
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コメント一覧

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  2. 今回は教育原理と社会的養護のみの受験のため、他は受かっているので、最新問題のみを高い教材を購入せずに勉強できて本当に助かりました。

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