令和4年保育士試験問題(前期)
子どもの保健
(選択式 20 問)

問1 次の文は、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」1「保育所における子育て支援に関する基本的事項」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の( A )を基本に、保護者の( B )を尊重すること。

・ 子どもの( C )に反しない限りにおいて、保護者や子どもの( D )を保護し、知り得た事柄の( E )を保持すること。

ア 理解    イ 自己決定    ウ 守秘義務  エ 信頼関係  オ 利益
カ 個人情報  キ プライバシー  ク 主体性   ケ 秘密

   
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問2 次のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」2「養護に関する基本的事項」ア「生命の保持」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 子どもの生命を守り、子どもが快適に、そして健康で安全に過ごすことができるようにする。

B 子どもの生理的欲求が十分に満たされ、健康増進が積極的に図られるようにする。

C 一人一人の子どもの健康状態や発育及び発達状態を把握する。

D 子どもの生活や発達過程等にふさわしい生活リズムをつくるために、保育所での生活に合わせ、家庭での生活リズムを変えるよう指示することが大切である。

   
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問3 虐待は子どもの心身に深刻な影響を及ぼす。その影響についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 身体的影響には、成長ホルモンの抑制による成長不全を呈することもある。

B 知的発達面への影響には、養育者が子どもの知的発達に必要なやりとりを行わない、年齢や発達レベルにそぐわない過大な要求をするなどにより、知的発達を阻害してしまうことがある。

C 心理的影響として、対人関係の障害、低い自己評価、行動コントロールの問題などがある。

   
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問4 次のうち、子どもの生理機能の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 子どもの年齢が低いほど、新陳代謝はおだやかであるので、脈拍数は多く体温は高めである。

B 乳幼児は成人と比べ、体重あたりの必要水分量や不感蒸泄量が多いため、脱水になりやすい。

C 胎児循環には卵円孔や動脈管が存在するが、肺呼吸の開始とともに心臓・血管系の解剖学的変化が生じる。

D 乳児の呼吸は幼児に比べて深くゆっくりである。

E 体温には日内変動があるが、乳幼児期では不鮮明で、年長児になって鮮明となってくる。

 
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問5 次のうち、「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」(厚生労働省)における子どもが登園を控えるべき状況として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 今朝の体温が 37.2℃でいつもより高めであるが、食欲があり機嫌も良い。

B 昨夜の体温は 38.5℃で解熱剤を1回服用し、今朝の体温は 36.8℃で平熱である。

C 伝染性膿痂疹と診断され、掻き壊して浸出液が多くガーゼで覆いきれずにいる。

D 夜間は咳のために起き、ゼーゼーという音が聞こえていたが、今朝は動いても咳はない。

E 昨日から嘔吐と下痢が数回あり、今朝は食欲がなく水分もあまり欲しがらない。

   
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問6 次の【Ⅰ群】の感染症と、【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

Ⅰ群

A 水痘

B 溶連菌感染症

C 伝染性紅斑

D 風しん

E 咽頭結膜熱

Ⅱ群

ア 秋から春にかけて流行し、両頬に赤い発しんがみられ、手足にレース様の紅斑ができる。妊娠前半期に感染すると胎児に影響を及ぼす。

イ 軽い発熱とともに発しんが表れ、最初は小紅斑で、やがて丘疹となり水疱ができる。いろいろな状態の発しんが同時にみられる。痂皮になると感染性はないものと考えられる。

ウ 急に 39℃の発熱があり、目の結膜が赤くなり目やにが出て、喉の痛みを訴える。年間を通じて発生するが、夏季に多い。

エ 発熱があり、のどの痛みを訴える。手足、顔に発しんがみられ、舌がイチゴのように赤く腫れる。

オ 発熱があり、顔や首のまわりに発しんが表れ、頸部のリンパ節が腫れる。妊娠初期に感染すると胎児に影響を及ぼす。

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問7 次の文は、ノロウイルスに関する記述である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ノロウイルスは、熱や薬品への抵抗性が非常に強いことが予防を困難にしています。活性を失わせるためには、( A )℃以上で 90秒以上の加熱又は( B )による消毒が有効です。( B )は、揮発性で、( C )が発生するため、窓を開けて換気します。

 
1 85 逆性石鹸 硝酸ガス
2 85 逆性石鹸 塩素ガス
3 85 次亜塩素酸ナトリウム 塩素ガス
4 60 次亜塩素酸ナトリウム 硝酸ガス
5 60 次亜塩素酸ナトリウム 塩素ガス

問8 次のうち、子どもの紫外線対策に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 毎晩その日の汚れを落とすように、日焼け止めも落とす。

B 日焼け止めは、二度塗りすることで終日効果が保たれる。

C 子どもは新陳代謝が盛んなので、紫外線の影響は翌年には消える。

D 日焼け止めの効果や特徴は、商品によって異なる。

   
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問9 次のうち、子どもたちによく見られる水いぼ(伝染性軟属腫)に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 病原体は伝染性軟属腫菌である。

B 水を介して感染するので、プールは禁止とする。

C 水いぼを左右から押すと、中央から白色の粥状の物質が排出され、この中に病原体が存在する。

D 自然経過で治癒することもある。

 
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問10 次のうち、保育所での事故防止対策として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 十分な監視体制の確保ができない場合は、プール活動の中止も選択肢とする。

B 普段食べている食材は、窒息の心配はないので、安心して与えて良い。

C 食物アレルギーの子ども用の代替食は、子どもの心情を配慮して、他児のものと見た目が変わらないように工夫する。

D 食事介助をする際には、汁物などの水分を適切に与える。

   
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問11 次のうち、幼児期の言語の問題に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 3歳時点での発話が、単語5~6語で、二語文の表出がみられない場合には、言語発達の遅れを疑う。

B 選択性緘黙は、言語能力が正常であるにもかかわらず、家庭、保育所等どのような場面でも話をしない。

C 吃音は、大半は6歳までにみられる。

D 幼児期に吃音がある場合、成人になって言語能力が低い状態が続く。

E 音声チック症では、わいせつな言葉や社会的に受け入れられない言葉を発することがある。

   
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問 12 次のうち、子どもの身体症状として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 感染症とは考えられない咳が続いている場合、音声チック症の可能性を考慮すべきである。

B 行動障害としての抜毛症は、子どもが容姿を気にして恥ずかしいと思うようになることにより解消することが多い。

C 夜尿への対処としては、夜間の排尿誘導が推奨される。

D DSM-5では、吃音も神経発達症の一部と考えられている。

E 身体の痛みは、精神的な要因によっては起こりえない。

   
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問 13 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

5歳の男児。思い通りにならないとかんしゃくがひどく、他児とのトラブルを起こしがちで、言葉の遅れもありそうなことを心配した両親に連れられ、児童精神科を受診したところ、自閉スペクトラム症(ASD)と診断された。病院で施行された発達検査でIQは95で、結果には検査項目により大きな凸凹があったと説明された。

【設問】

次のうち、この男児に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A かんしゃくを起こさないように本人の思い通りにさせる。

B IQが95と正常域にあるので、特別な配慮は必要ない。

C かんしゃくに対しては本人に負けないような大きな声でその場で事情を説明する。

D 一日のスケジュールがわかるような絵を描いて説明する。

E 友達とトラブルが多いので、仲良くするように指導する。

   
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問 14 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

5歳の女児。3歳までの保健所の乳幼児健診では、発育発達の問題を指摘されたことはない。3歳から保育所に入所し、これまで保育中の日常の生活や友人関係に問題はなかった。5歳になった頃から保育所の遊具や玩具を「汚い」と言い、遊具や玩具に誰かが触れていないかと保育士に繰り返し確認したり、頻繁に手を洗ったりするようになった。明らかに不安で落ち着かない様子となり、友人とも遊ばなくなった。

【設問】

次のうち、この女児に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 自閉スペクトラム症(ASD)を発症したと考えられる。

B 保育室の玩具を新しい物に交換することが望ましい。

C 手洗いや確認することは無意味であることを説明して、制止するように指導する。

 
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問 15 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

2歳児のS君は、保育所に入所してから40日目だが、児童相談所からネグレクトを受けている可能性があり、観察を求められている。保育所でのS君は、笑顔が全くなく、時として機嫌が悪そうに泣くが、保育士がなだめようとしても、無視をするか、押し返すなどの拒否的行動をした。

【設問】

担当保育士による、S君に対する配慮として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 母親が迎えに来た時のS君と母親の行動、様子をよく観察する。

B まだ入所 40日であり、場所見知り・人見知りが強い可能性が高いため、S君の行動は特に注意してモニターする必要はない。

C S君に関する保育所での行動の特徴を、児童相談所にできるだけ早く報告する。

D できるだけ1人の保育士がS君の保育を行うように配慮する。

   
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問 16 次のうち、保育所等での衛生管理に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 学校環境衛生基準によると教室の音は、窓を閉めている状態で等価騒音レベルが LAeq50dB 以下であることが望ましいとされている。目安としては「普通に会話できる」状態である。

B 糞便や嘔吐で汚れたぬいぐるみ、布類は、汚れを落とし、0.02%(200ppm)の次亜塩素酸ナトリウム液に十分に浸し、水洗いする。

C 蚊の発生予防対策として、水が溜まるような空き容器や植木鉢の皿、廃棄物等を撤去するなど、蚊の幼虫(ボウフラ)が生息する水場をなくすようにする。

D 保育室内のドアノブや手すりの消毒は、0.02%(200ppm)の次亜塩素酸ナトリウムか、濃度 70%~ 80%の消毒用エタノールを状況に応じて使用する。

  C D
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問 17 次のうち、保育所等における災害への備えに関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 施設の安全点検は、定期的に行う。

B 消防設備や火気使用設備は、消防署が行うため、保育所での点検は必要ない。

C 施設の出入り口や廊下、非常階段等の近くには物を置かない。

D 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)では、保育所に対し、特に消防計画の作成について述べていない。

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問 18 次のうち、心肺蘇生に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 胸骨圧迫 50 回に対して人工呼吸を2回行う。

B 布団の上では行わない。

C 呼吸が回復した場合は、AED の電極パッドを外し、AEDの電源を切る。

D 小児用電極パッドがない時は、大人用電極パッドを、それが重ならないように使用する。

    B C D
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問 19 2020(令和2)年1月に世界的な流行(パンデミック)が明らかとなった新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)感染症(COVID-19)について、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識(2020年10月時点)」を示している。保育者が自らの感染防止について留意しなければならない事柄の記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 大人数や長時間におよぶ飲食は、短時間の食事に比べて、感染リスクが高まる。

B マスクなしに近距離で会話をすることは、感染リスクが高まる。

C 狭い空間での共同生活は、長時間にわたり閉鎖空間が共有されるため、感染リスクが高まる。

D 仕事での休憩時間に入った時など、居場所が切り替わると、感染リスクが高まることがある。

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問 20 次のうち、慢性疾患のある子どもや医療的ケアを必要とする子どもを保育所等で受け入れる場合の、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 心臓の働きを強めたり、血圧を上げたり、気管・気管支など気管を拡張する作用のある「エピペン®」は保育所では使用してはならない。

B 保育所等において医療的ケア児の受け入れが推進されているが、医療的ケア児には歩ける子どもも重症心身障害児も含まれており、個別的配慮が必要である。

C 車いすで過ごす子どもが入所した時に段差解消スロープを設置することは、合理的配慮の一つである。

D 慢性疾患の子どもの薬を預かる時は、保護者に医師名、薬の種類、服用方法等を具体的に記載した与薬依頼票を持参させる。

E 認定特定行為業務従事者である保育士等が医療的ケアを行う場合には、事前に保護者に具体的な内容や留意点、準備すべきこと等について確認し、主治医には事後に報告する。

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