令和5年保育士試験問題(前期)
保育原理
(選択式 20 問)

問1 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所は、入所する子どもを( A )するとともに、家庭や地域の様々な( B )との連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する( C )及び地域の( D )に対する( C )等を行う役割を担うものである。

ア 教育  イ 保育     ウ 社会資源   エ ステークホルダー  オ 指導
カ 支援  キ 関係機関等  ク 子育て家庭

   
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問2 次のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」(4)「保育の環境」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。

B 保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動できる場となるように配慮すること。

C 子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること。

D 保育士自らが積極的に環境に関わり、子どもに遊びを提供するよう配慮すること。

   
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問3 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」(1)「養護の理念」の一部である。( A )~ ( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育における養護とは、子どもの( A )の保持及び( B )の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり、保育所における保育は、養護及び( C )を一体的に行うことをその特性とするものである。保育所における保育全体を通じて、養護に関する( D )を踏まえた保育が展開されなければならない。

   
1 生命 情緒 教育 ねらい及び内容
2 安全 精神 学習 計画及び評価
3 生命 精神 教育 ねらい及び内容
4 安全 情緒 学習 ねらい及び内容
5 生命 情緒 教育 計画及び評価

問4 次のうち、1歳以上3歳未満児の保育に関する記述として、「保育所保育指針」に照らし、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育のねらい及び内容について、「健康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」としてまとめ、示している。

B 指導計画は一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して作成し、個別的な計画は必要に応じて作成する。

C 自分でできることが増えてくる時期であることから、保育士等は、子どもの生活の安定を図りながら、自分でしようとする気持ちを尊重し、温かく見守るとともに、愛情豊かに応答的に関わる。

D 基本的な生活習慣の形成にあたっては、家庭での生活経験に配慮し、家庭からの要望を第一に優先して進めるようにする。

E 保育士等が仲立ちとなって、自分の気持ちを相手に伝えることや相手の気持ちに気付くことの大切さなど、友達の気持ちや友達との関わり方を丁寧に伝えていく。

   
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問5 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」(1)「全体的な計画の作成」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所は、(中略)、各保育所の保育の方針や( A )に基づき、子どもの( B )を踏まえて、保育の内容が( C )的・計画的に構成され、保育所の生活の全体を通して、総合的に( D )されるよう、全体的な計画を作成しなければならない。

   
1 目標 発達過程 組織 展開
2 理念 家庭状況 組織 展開
3 理念 家庭状況 個別 達成
4 目標 発達過程 組織 達成
5 理念 発達過程 個別 達成

問6 次のうち、乳児保育における保育の実施に関わる配慮事項に関する記述として、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」1「乳児保育に関わるねらい及び内容」に照らして、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 保護者との信頼関係を築きながら保育を進めるとともに、保護者からの相談に応じ、保護者への支援に努めていくこと。

B 自我が形成され、子どもが自分の感情や気持ちに気付くようになる重要な時期であることに鑑み、情緒の安定を図りながら、子どもの自発的な活動を尊重するとともに促していくこと。

C 子どもの発達や成長の援助をねらいとした活動の時間については、意識的に保育の計画等において位置付けて、実施することが重要であること。

D 一人一人の子どもの生育歴の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が応答的に関わるように努めること。

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問7 次の表は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」の一部である。表中の( A )~( C )にあてはまる記述をア~カから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ア 健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。

イ 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。

ウ 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。

エ 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。

オ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。

カ 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。

   
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問8 次のうち、保育所における保育士の子どもへの対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」に照らして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 朝の登園時、父親に抱かれてなかなか離れられない2歳児に、「赤ちゃんみたいに抱っこしてもらっているなんて恥ずかしいよ」と言葉をかける。

B 自分から意思表示してトイレに行くことができる2歳児が「おしっこ出ない」と言っているが、「今はトイレの時間でしょ」と言葉をかけて、トイレに連れていく。

C 3歳児の食事の際、こぼす等の理由で、テーブルに給食のメニューをすべて配膳せず、一品食べ終えたら次のおかずを出す。

D 食事の時間にむけて片付けを促す言葉がけをした際、遊び続ける4歳児に「片付けをしないならご飯食べられないからね」と言葉をかける。

E 午睡の時間、他の子どもが横になっている中、「ねむれない」と言って起き上がった5歳児に対して、窓際の明るい場所で静かに遊ぶよう言葉をかける。

   
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問9 次のうち、「保育所保育指針」第3章「健康及び安全」4「災害への備え」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 災害の発生時に、保護者等への連絡及び子どもの引渡しを円滑に行うため、日頃から保護者との密接な連携に努め、連絡体制や引渡し方法等について確認をしておくこと。

B 防火設備、避難経路等の安全性が確保されるよう、定期的にこれらの安全点検を行うこと。

C 市町村の支援の下に、地域の関係機関との日常的な連携を図り、必要な協力が得られるよう努めること。

D 避難訓練は、少なくとも半年に1回定期的に実施するなど、必要な対応を図ること。

E 避難訓練については、地域の関係機関や保護者との連携の下に行うなど工夫すること。

   
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問10 次のうち、「保育所保育指針」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育所の運営に関する事項は「保育所保育指針」に基づき、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号)で定めている。

B 「保育所保育指針」はいまだ告示化されておらず、保育所は必ずしもこれに沿って保育を行う義務はない。

C 「保育所保育指針」には、保育所は入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならないことが明記されている。

D 小規模保育や家庭的保育等の地域型保育事業においても、「保育所保育指針」の内容に準じて保育を行うこととされている。

   
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問11 次の【Ⅰ群】と【Ⅱ群】は、「保育所保育指針」第1章「総則」4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(1)「育みたい資質・能力」に関する記述である。【Ⅰ群】と【Ⅱ群】の記述を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A 知識及び技能の基礎

B 思考力、判断力、表現力等の基礎

C 学びに向かう力、人間性等

【Ⅱ群】

ア してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、よりよい生活を営もうとする。

イ 気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする。

ウ 豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする。

エ 心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする。

   
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問 12 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

1歳児クラスでは運動会で、保護者も一緒に参加する内容を行うこととした。保護者にはクラス便りで次の2点を伝えた。一つ目は、特別に何かを発表するために練習するのではなく、普段の遊びの姿を見せていくこと、二つ目は、当日は保護者がゴール地点に立ち、子どもが保護者のもとに走っていくのを抱き止めてもらい、その後に親子でダンスをしてほしいことである。ダンスはこれまでクラスで子どもと親しんだものを選び、運動会までの間は保護者のお迎えの時間にも音楽をかけて、保護者も一緒にダンスを楽しめる機会を持つよう配慮した。運動会の当日は、いつもとは違う雰囲気の中で泣き出してしまう子どももいたが、ほとんどの子どもは普段通りの姿を見せることができた。

【設問】

次のうち、担当保育士の振り返りの記述として、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」、第4章「子育て支援」に照らし、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A せっかく保護者が見に来ているので、子どもが一人ずつセリフを言う機会を設けるなど、より保護者が楽しめる内容を考える必要があった。

B 何か特別なことをするのではなく、普段の遊びの姿を見せる内容にすることで、子どもに負担をかけずに当日を迎えることができた。

C 普段の遊びの姿を見せるという保育方針を保護者とも共有した上で、運動会を迎えることができて良かった。

D 泣き出してしまった子どもの保護者には、保護者の思いを受けとめ、この時期の子どもの発達の姿を共有していこう。

   
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問 13 次のうち、障害のある子どもの保育に関する記述として、「保育所保育指針」第1章「総則」(2)「指導計画の作成」に照らし、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 障害や発達上の課題のある子どもの理解と援助は、子どもの保護者や家庭との連携が大切であり、連携を通して保護者が保育所を信頼し、子どもについての共通理解の下に協力し合う関係を形成する。

B 障害や発達上の課題のある子どもとその保護者に関するプライバシーの保護が何よりも大切であるため、他の子どもの保護者に対しては、障害等についての個人情報を一切提供してはいけない。

C 障害のある子どもの保育にあたっては、専門的な知識や経験を有する地域の関係機関と連携し、互いの専門性を生かしながら、子どもの発達に資するよう取り組んでいくことが必要である。

D 障害のある子どもの就学にあたっては、就学に向けた支援の資料を作成するなど、保育所や児童発達支援センター等の関係機関で行われてきた支援が就学以降も継続していくよう留意する。

   
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問 14 次のうち、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 地域の関係機関等をよく理解して連携及び協働を図り、保育所全体で子育て支援に努めることが求められる。

B 外国籍家庭など、特別な配慮を必要とする家庭の場合には、状況等に応じて個別の支援を行うことが求められる。

C 子どもが虐待を受けている場合などにおいても、保護者や子どものプライバシー保護のため、他の機関に通告しないことが求められる。

D 子どもが自立するためには、保育の活動に対して保護者はなるべく参加しないことが求められる。

   
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問 15 次のうち、保育所などでの保育を希望する場合の保育認定にあたって考慮される「保育を必要とする事由」として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 災害復旧

B 就学

C 同居している親族の介護

D 起業準備

E 妊娠

   
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問 16 次のうち、2019(令和元)年10月1日から日本において実施された「幼児教育・保育の無償化」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「幼児教育・保育の無償化」の対象となる施設は、幼稚園、保育所、認定こども園のみである。

B 「幼児教育・保育の無償化」の対象となる子どもは、3歳から5歳児クラスの子どもであり、原則、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間である。

C 無償になるのは、保育所等の利用料であり、通園送迎費、食材料費、行事費等は保護者負担になる。ただし、食材料費については、保護者の年収等によって副食(おかず・おやつ等)の費用が免除される。

D 就学前の障害児の発達支援を利用する3歳から5歳までの子ども(満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間)の利用料が無料となる。

   
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問 17 次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

実習生のMさんは、初めて2歳児クラスで絵本の読み聞かせに取り組んだ。集中して絵本を見る子どももいるが、声を出したり、立ち上がったり、歩き回ったりする子どももいて、Mさんは対応に困りながらも何とか絵本を読み終えた。

【設問】

次のうち、実習生Mさんの振り返りの記述として、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」に照らし、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 集中して絵本を見ている子どものじゃまをしてしまうので、声を出したり、立ち上がったり、歩き回ったりする子どもをしっかり注意するべきだった。

B 絵本に自然に子どもの関心が向くように、自分の読む位置に配慮したり、ござやマットを用意するなど、環境面で工夫ができないかを考えてみよう。

C 読み聞かせのときに声を出したり、立ち上がるのは、絵本に興味を持っていることの表れかもしれない。子どもなりの反応を肯定的に捉えてみよう。

D 子どもに何も声をかけられなかったが、2歳児クラスの子どもにはまだ何を言っても伝わらないから問題はないだろう。

E 選んだ絵本が、子どもの興味や関心に添うものだったかを検討してみよう。

   
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問 18 次のうち、保育の発展に寄与した人物とその主な功績についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A コダーイ(Kodály,Z.)は、ハンガリーの作曲家である。民俗音楽による音楽教育法はのちに「コダーイ・システム」などにまとめられ、幼児教育にも活用された。

B エレン・ケイ(Key,E.)は、フランスにおいて、放任されていた子どもたちのための教育を始めた。このうちの幼児学校(幼児保護所)では、子どもの保護のみならず、楽しく遊ぶことや教育も実施された。

C フレーベル(Fröbel,F.W.)は、ドイツの教育者で、世界で最初の幼稚園を創設した。彼の哲学的な人間教育に根ざした幼稚園教育は他の多くの国の幼児教育に大きな影響を与えた。

D モンテッソーリ(Montessori,M.)は、スウェーデンの社会運動家であり教職に就く傍ら多くの著作を世に出した。代表作に『児童の世紀』がある。

   
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問 19 次のうち、日本における保育の歴史についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 貧しい家庭の子どもたちのための幼稚園が明治期につくられ始めた。その一つ、二葉幼稚園は赤沢鍾美が慈善により開設したものである。

B 日本において最も早く設立された公立の幼稚園は、東京女子師範学校附属幼稚園であった。そこでは設立当初から、子どもの自由で自主的な活動が保育の中心であった。

C 幼児教育への期待が高まり全国に幼稚園が普及し始めた1926(大正15)年、「幼稚園基本法」が制定された。これによって、幼稚園ははじめて制度的な地位を確立した。

D 1948(昭和23)年に文部省から刊行された「保育要領」は、幼稚園のみならず保育所及び家庭における幼児期の教育や世話の仕方などを詳細に解説したものである。。

   
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問 20 次の表は、令和2年及び令和3年の保育所等数と利用児童数を示したものである。この表を説明した記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

表 保育所等数と利用児童数の状況
出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」(令和3年8月27日発表)

A 令和2年と比較して、令和3年の保育所の数及び保育所の利用児童数はともに減少している。

B 令和2年と比較して、令和3年の保育所の利用児童数は減少している一方で、幼保連携型認定こ ども園の利用児童数は増加している。

C 令和2年と比較して、令和3年の特定地域型保育事業の数は増加している一方で、特定地域型保 育事業の利用児童数は減少している。

D 令和2年と比較して、令和3年の保育所等数の合計は 1,000 か所以上増えている。

   
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